|
月組トップスター 彩輝直が退団記者会見
|
 |  |  |
千秋楽まで ありったけの想いを込めて突き進みます
|
 |  |  |
宝塚歌劇団月組トップスター、彩輝直が19日、大阪・キタのホテル阪急インターナショナルで記者会見し、「エリザベート〜愛と死の輪舞(ロンド)〜」公演を最後に、来年5月で宝塚歌劇団を退団することを自らの言葉で明らかにした。
会見ではまず、歌劇団の小林公一理事長が「彩輝直は彼女の個性と魅力で月組を盛り上げてくれていますが、次作の『エリザベート』で有終の美を飾ることになりました」と報告。
彩輝は「とても充実している今、15年間お世話になった宝塚を卒業させていただくことになりました。宝塚は私にとってすべてでしたし、夢が現実となって宝塚に入れた幸せを感じています。来年5月まで、ありったけの想いを込めて突き進んでまいります」とあいさつした。
白のジャケットに黒白の縞模様のブラウス、黒のパンツというモノトーン・ルック。やや緊張気味だが、精一杯のやわらかい笑顔が印象的だ。
退団を決意したのは、宝塚大劇場でのお披露目公演中だそうで、「次回作に『エリザベート』が決まったことも一つの要素ですが、それだけではありません。トップの立場になると、気持ちが高まる半面、いつか“卒業”もあると漠然と考えるようになります。いろいろと自分の中で考えて、充実しているときがいいと決意しました」と説明した。
彩輝は横浜市出身。2年「ベルサイユのばら」で初舞台を踏み、キュートで華のある容姿が注目され、男役ホープとして期待を集めた。月組時代は“ベルばら”新人公演のアンドレ役、「グランドホテル」新人公演のラファエロ役、「ME AND MY GIRL」新人公演のジョン卿役などを経験。星組に組替えとなって、「2人だけが悪」新人公演のジェイ役で初主演、「エリザベート」新人公演のトート役や、「WEST SIDE STORY」のベルナルド役の好演で人気を確立した。
12年に専科入りし、宙組の“ベルばら”では役替わりでオルカルとアンドレの2役に挑戦、星組の「プラハの春」や中国ツアー公演などに主要な役で特別出演して大きく成長。15年月組に組替えになり、紫吹淳のあとを受けて今年4月トップに就任。宝塚歌劇創立90周年記念式典(4月1日)がトップとしての初仕事だった。
「ジャワの踊り子」全国ツアー公演で娘役トップの映美くららとコンビを組んで主演。6月の宝塚大劇場公演「飛鳥夕映え」「タカラヅカ絢爛II」(関連記事:東京公演始まる)がお披露目公演で、映美はその東京公演千秋楽の10月10日で退団した。そのあと10月12日に行われた10年に一度の「宝塚歌劇90周年大運動会」では、月組が大奮闘して優勝し、彩輝はMVPを受賞(関連記事:月組雪辱)。それからわずか1週間後の退団発表で、トップ2作目の「エリザベート」がサヨナラ公演という“短命”になる。
「運動会のときは退団を決めていたこともあって、“強く、たくましく、したたかに”がんばりました。10年前も月組で出場して最下位だったので、今回、月組が一丸となって優勝できて、すごくうれしかったです」
思い出に残る作品は、「いろんな時期にそれぞれの思い出があるんですが…」とちょっと考えて、「WEST SIDE STORY」「我が愛は山の彼方に」「ジャワの踊り子」、そして「飛鳥夕映え」の作品名をあげた。
今後の出演予定は、バウ・パフォーマンス「熱帯夜話〜眠れない夜に…〜」が宝塚バウホールで12月9−11日、東京のル テアトル銀座で12月14−16日に公演。
サヨナラ公演となる「エリザベート」は宝塚大劇場が来年2月4日−3月21日、東京宝塚劇場が4月8日−5月22日で、千秋楽で退団となる。
「残念ながら“寿退団”ではない」そうで、退団後は「具体的には何も。ただ、お芝居が好きなので、機会があれば続けていけたらと思っています」というから、女優として再出発することになりそうだ。
次の月組トップについては、小林理事長は「今後、劇団の方でいろいろ検討して、時期をみて発表したい」と明らかにしなかった。
|
 |  |  |  |  |  |  | (C)2004.The Sankei Shimbun All rights reserved. |
|