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すみれの園を創る人たち 演出家(顧問) 酒井澄夫 |
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華、輝き、夢…“宝塚化”心がけ |
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颯爽(さっそう)として頼もしい玄宗(湖月わたる)と、美しさにうっとり見惚れる楊貴妃(檀れい)。星組トップ・コンビの魅力が満喫できる中国ロマン「花舞う長安」が、8月の福岡・博多座の初演をグレードアップして、宝塚大劇場で10月1日に開幕する(11月8日まで)。
井上靖原作を脚本・演出した大ベテランの酒井さんは、「舞踊劇にしようと思ったが、主演の2人に合わせて男女の愛のドラマに変えた。豪華絢爛(けんらん)なコスチュームプレー、愛を確かめ合うシーンで流れる河村隆一さんのバラードがより雰囲気を高めると思う」という。
大阪市出身。早稲田大学文学部演劇科卒。部活のミュージカル研究会には先輩に植田紳爾さん(演出家、前歌劇団理事長)がいた。
「在学中に葦原邦子さん(元タカラジェンヌ)と知り合い、シャンソンの舞台の演出もした。卒業後、大阪へ帰ることになって、葦原さんから宝塚に紹介されたんです」
昭和34年に入団し、演出家デビューは40年新芸劇場の「おやゆび姫」。宝塚大劇場デビューはミュージカルが41年「薔薇と太陽」、ショーは43年「海のバラード」だった。
「ショーはスターがいて初めて成り立つ」考えで、鳳蘭の「セ・マニフィーク」(52年)、大地真央の「ザ・ビッグ・アップル」(56年)といった秀作を発表。一方で「花の舞拍子」など日本物ショーのヒット作も多い。
また、海外ミュージカル「ガイズ&ドールズ」(59年)で初めてフィナーレを加えたり、映画で有名な「哀愁」(61年)のミュージカル化や、「ハウ・トゥー・サクシード」(平成8年)も手がけた。近年は「愛 燃える」や「花の宝塚風土記」、外部ではOGに現役生が加わった「シンデレラ」もある。
「どの作品でも“宝塚化”を心がけて演出してきた。よき時代の華やかさ、若いスターの輝き、現実にはない夢を見る楽しさなどが、90年続く宝塚の魅力。しかし昔、僕らが見て感動した舞台が、今作れているかどうか。いつも悩みますね」
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