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宙組   花總まり    
04.08産経新聞夕刊  演劇コラムニスト 石井啓夫


 姿月あさとさんの退団公演なので、わたし自身も悔いのないよう、いつもより以上に一生懸命、演じています。

 今回は、お芝居にしてもショーにしても、デュエットシーンより大勢で出る場面が多いので、姿月さんとの二人の場面が、わたしの中では重要で大切なものになっています。

 お芝居の「砂漠の黒薔薇」では、姿月さんのアリシャール王子を慕うマリヤーナ姫を演じていますが、最後に白の衣装でハッピーエンドを祝うラストシーンとか、第7場「この想いは何だろう」(王子の幻想)の場面=写真=が好きですね。姿月さんと見つめ合って、歌ったり踊ったりさせていただいているんですよ。

 このお芝居の中では、初めに登場してから、しばらく出なくなって、その幻想シーンからまた、つながっていく形になっていますので、その抜けて舞台上に登場していない時にも気持ちをしっかりつないでおかないといけないから、難しいところもあります。幻想でのデュエットシーンの後から、ずっとからんでいくわけですから、アリシャールさんとのお話のやりとりが、出ていない時から、こうこうこういうふうになっていたんだとお客さまにも伝わるよう、そこまでの流れを、雰囲気や気持ちににおわせて感じていただけるように注意しています。

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 花總まり(はなふさ・まり) 1991年、初舞台。翌年の星組「白夜伝説」で妖精(ようせい)役に抜てきされ、ヒロイン路線に。94年雪組で一路真輝の相手役となって以降、98年に新組・宙組の初代娘役トップとなって現在、7年目という娘役トップの記録を更新中。代表作に「あかねさす紫の花」、「エリザベート」(雪、宙組)他。


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