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宙組   和央ようか    
04.15 産経新聞夕刊  演劇コラムニスト 石井啓夫



 現在、公演中のショーは、この作品で大劇場デビューした藤井大介先生のスペシャル・レビュー「GLORIOUS!!−栄光の瞬間−」なんですが、先生がとっても情熱的で、「ボクはこうしたい」とおけい古場から目が輝いていて、そんな先生の姿を見ると、こっちも、ヤルゾーッて気持ちになりますよね。先生の情熱に乗せられちゃったのかな。

 わたしとしては、第15場「ジャニス・ジョプリン」で歌う、ちょっと反戦的なにおいがするレクイエムの曲が気に入っていますけど、場面的にはやっぱり、わたしたち組子(宙組生)全員が「白い星」になって、トップさんを送るシーン(第21場「栄光の瞬間」)=写真=が好きです。上手花道に去っていく姿月あさとさんを見送るところまでがとくに好き。

 そこのところは、ね、工夫とか男役とかのこだわりとか、何もする必要がないところですし、宙組がひとつになる場面で、これまでの宙組の集大成ですから。

 白い衣装を着たわたしたちがアカペラコーラスしてて、そこへブルー衣装の姿月さんが現れ、全員ごっちゃに歌い踊り楽しんで、それからその場からひとり離れていく姿月さん。銀橋(エプロンステージ)まで追いかけて行って、手を振る。この舞台で退団される姿月さんを意識して作られたシーンですから、余計、心をうちますね。

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 和央ようか(わお・ようか) 1988年、初舞台。硬軟自在な演技力を持ち、雪組時代から新人公演主役、バウ主演(「大上海」「嵐が丘」)で活躍。98年、宙組誕生とともに準トップとして異動。宙組版「エリザベート」では、ヨーゼフ皇帝を好演。5月7日に退団する姿月あさとの後、トップ昇格が内定している。


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