東京公演中の「LUNA−月の伝言」(小池修一郎作・演出)では、ロックスターのALEXと彼にのり移った古代の神、月読(つくよみ)の二役を演じています。インターネットやマインドコントロールなど現代的要素が盛り込まれた作品で、それを宝塚のファンタジィーで包み、まろやかに分かりやすく描いています。普通の現代語をしゃべるのは久しぶりですね。
現代ものは恋愛の表現が自由にできますね。愛を得るALEXと、身を引くことで相手の幸せを願う月読。違う愛のパターンを一人で演じるのも面白いです。後半は外見を変えずに二人を演じ分けます=写真。一瞬、お客さまに、どっちなのかなって思わせておいて納得させる。もともと七変化が好きなので、そこも楽しいです。
最後の場面は演じていてぐっときます。一人の人間としてALEXの人生が切り開かれていく場面です。
横尾忠則さんにポスターをお願いし、ショーではアルフィーの高見沢俊彦さんに主題歌を書いていただくなど、新しい試みにも挑戦しました。初めて宝塚を見る人にもストレートに伝わる作品です。多くの人が宝塚と出合い、好きになってくれる。「LUNA」が、そんな作品になればうれしいです。
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六月二十六日まで、東京・有楽町のTAKARAZUKA1000days劇場(TEL03・5251・2001)で。
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まこと・つばさ 昭和60年、「愛あれば命は永遠に」で初舞台。平成6年、「風と共に去りぬ」で初の女役にも挑戦。都会的でクールなイメージ、シャープなダンスで人気を集め、9年6月「エル・ドラード」で月組トップに。