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月組   初風緑    
05.20産経新聞 演劇コラムニスト 石井啓夫


 今回の東京公演では、役替わりで、りかさん(紫吹淳)のところをやらせていただいています。

 お芝居「LUNA」のブライアンって、おもしろいですね。人をコントロールする役、あまり演じたことがなかったので楽しい。とくに「ジーニアス・プロジェクト」と「ヒーロー」のシーンが好きです。周囲の人たちを支配しているような歌場面で、何をやっても、みんながついてくるって気持ち、いい(笑い)。

 ブライアンは、情報産業の社長さん。何かをたくらんでいる教祖さまみたいな部分もあって、役作りは最近、テレビでいろんな人出てきて話題になっているから、参考になりました。本人はみけんにシワ寄せて、深刻なこといってるっていうふうじゃなく、いつも笑顔で悪い人ではないイメージ。でも、存在はちょっと怪しい。しかし、普通に見える。

 その、一見、普通で人がよさそうに感じられる部分から表現しようと、役に入りました。自分としては、世間や人のためにいいことしてるんだって、まじめに思っている人。演出上、コミカル・ベースに設定されている部分があるので、そこのところとわたし自身の役への思いとを重ね合わせながら、毎日、わたしのブライアン像との一本化を図って演じています。

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 初風緑(はつかぜ・みどり) 1988年、初舞台。花組に配属され、ダンス得意の二枚目男役でスタートしたが、次第に演技派としての個性を発揮している。97年、月組へ。代表作に花組時代の「たけくらべ」(正太郎)、「ウエストサイド物語」(リフ)他。現在、月組東京公演に出演中。


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