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月組   檀れい    
2000.05.27産経新聞夕刊 演劇コラムニスト 石井啓夫


 今、公演中のお芝居「LUNA」で演じているアイリーンという役には、とても愛着を感じています。まさに現代のお話で、探したらどこかにきっと、いそうな女性です。

 全体としてはバタバタ、コミカルな流れの中で進んでいくお話だけに、アイリーンとしての出番では、とても難しい場面なのですが、第十三場「ALEXの邸」=写真(右が檀れい、左は真琴つばさ)=のところを大切にしています。ALEXのお部屋に二人だけでいる場面で、しっくりいっているシーンではないかなと思います。

 考古学に青春をささげている堅物女性のアイリーンとしては最初は、ALEXのことを、彼が有名な芸能人でちょっと軽くて、別世界の男性ぐらいにしか思っていません。でも、私の心の中の造形では、ちょっと気になる人っていう意識を彼に感じているんです。それが、遺跡からパブの場面と続いて、だんだん心が通い始めてきて、二人の気持ちがしっかりかみ合うシーンが、そこなんですね。

 シンプルなミドリの洋服を着て出ているところで、飾りも何もなし、髪形だけはそれまでとは違う感じにしていますが、なによりも二人の心が通じ合っていることを、お客さまにしっかり伝えたい、そうならなければいけないと大事に演じています。

                ◇

 檀れい(だん・れい) 1992年、初舞台。スタートの月組時代は、美ぼうの娘役ながら、「銀ちゃんの恋」の玉美に代表される色濃い役柄を多く演じていたが、雪組へ組み替え後、ヒロイン系に戻り、99年の「うたかたの恋」から月組に再異動、真琴つばさの相手役としてトップ娘役に。


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