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宙組   夢輝のあ    
06.24産経新聞夕刊 田窪桜子


 最初に「FREEDOM」の台本を読んだとき、クラークはカルメン(樹里咲穂)に婚約者のジョーシー(遠野あすか)をとられたかわいそうな男かなと思ったのですが、実は彼も自分の気持ちのまま自由に行動しているんです。登場人物はそれぞれが自立していて、自分がやりたいように精いっぱい生きている。思っていることをはっきり言って、個々がぶつかりあう。現実ではなかなかできないけれど、そこがこの作品の面白いところですね。

 クラークは一生懸命耐えているのですが、その思いはすべて歌に込められています。それだけに気持ちは表現しやすいですね。ジョーシーが去っても、愛しているから彼女には幸せになってほしい。私自身が堪え忍ぶタイプじゃないので、クラークは本当に懐が深いなあと思います。

 クラークのソロは「人知れず」と「FREEDOM!(ボレロ)」の二曲あるのですが、どちらもそんなクラークの気持ちがストレートに出せる。新人公演以外でソロで歌わせていただくのは初めてなんです。言葉を大切に歌でしっかり伝えたいですね。

 舞台には演じる人自身が出ると思っています。ちょっとでもいいからお客さまには舞台を見て豊かな気持ちになっていただきたい。だから演じる私自身も豊かな人間になれるよう、ひとつひとつの役を大事に、自分の可能性を捜していきたいです。

                 ◇

 ゆめき・のあ 平成4年、「この恋は雲の涯まで」で初舞台。ダンスに定評がある新進男役。10年、雪組から宙組へ。「FREEDOM」(29日−7月4日、東京・千駄ケ谷の日本青年館)にクラーク役で出演。


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