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専科   彩輝直    
2000.09.09産経新聞夕刊 演劇コラムニスト石井啓夫


 まだ、実感としては感じられないのですが、六月の異動で最下級生で専科に入れていただき、しっかりしなきゃあという気持ちで臨んでいる東京公演です。

 組子(星組所属生)でないことに、少し寂しさは覚えますが、今までとは違ったわたし自身をお見せしなければと、今、演じているミュージカル・ロマン「黄金のファラオ」のアハメスという役への掘り下げ方にも、一層力を入れているつもりです。

 初めは、つかみどころがはっきりしなくて、どう表現したらいいか、悩んだ役柄ですが、アメン神殿の神官として、大神官ネブヘル様の言うことをただ、ひたすら信じて行動する男。それがだんだん、ネブヘル様の裏の顔というか、悪の行動様式が見えてくるにつれて、自らの行為に疑問を抱き始める。

 神に使える身の真っすぐさで登場する最初のところは、「形」の美しさを強調しながらも、頼りなげに見えないよう存在感を出すことに注意しました。それが次第に、神に背く行動に知らず加担させられていることに気づく、第十五場A神殿のシーンで、一人でそのつらい心情を歌い吐露する場面が、アハメス役の見せどころですね。

 淡泊に見えた役でも面白さを感じてどんどん好きになっていくと、いろんな演じ方ができて楽しくなります。

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 あやき・なお 平成2年、「ベルサイユのばら」で初舞台。月組から平成8年、星組へ。フェアリー・タイプで、娘役もこなす美しい見栄えの男役だが、「ウエストサイド物語」のベルナルド他、個性役でも力量を発揮、6月に専科入りした。星組東京公演に出演中。


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