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月組   西條三恵    
09.23産経新聞夕刊  田窪桜子


 「ゼンダ城の虜」(十一月六日まで、宝塚大劇場)の新人公演(十月十七日)で初めてヒロインをやらせていただきます。十九世紀のヨーロッパの皇族フラビア姫。リアルで個性の強い役が多かったので、「まさに宝塚」といったお姫さまは本当に初めてですね。

 今までは、「ヒロインタイプじゃないね」と言われることが多く、自分でもそうかなと思っていました。ヒロインぽいものに反発して、普段はGパンにTシャツ、けいこも黒のレオタードにしたりしてたんです。でも、この役が決まって組長さんと副組長さんから「普段から役を意識したほうがいいよ」ってアドバイスを受けたんです。それからスカートをはいて、ピンクのけいこ着にしてみたり。役のために素直に受け入れている自分にびっくりしましたね。

 ベルリン公演も転機になりました。他の組の人たちと話していると、先入観なく「もっとかわいくしてもいいのに」って言ってくれる。今までは与えられた役を、こなしてきたにすぎなかったんだなって気づきました。

 何も知らずに育ったフラビア姫は、王の替え玉であるルドルフ(新人公演は霧矢大夢)と出会い、恋を知り、だんだん成長し、立場や誇りを自然に身につけていきます。舞台では、その過程がお客さまに見えたらいいなあと思っています。

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 さいじょう・みえ 平成8年初舞台。キレのいいダンス、キュートな演技で早くから注目を集め、9年の「エル ドラード」で抜てき。その後も、バウホール公演で姿月あさと、紫吹淳の相手役をつとめるなど、今後が期待される娘役。


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