「凱旋門」の宝塚大劇場公演はベルリン公演に行っていたため参加できず、帰国後、轟悠さんのラヴィックをすてきだなとみていました。東京の新人公演でその役をやることになって、びっくりしましたね。
 らんか・れあ 平成7年「国境のない地図」で初舞台。花組に配属。10年、雪組へ組替え。「ノバ・ボサ・ノバ」などに出演。今年6月、ベルリン公演参加。10月、「凱旋門」の新人公演で主役のラヴィックを演じる。(宝塚歌劇団提供) |
ラヴィック=写真右=は受け身の芝居が多い落ち着いた男性。言葉に深い意味があって、セリフの流れで感情をつくっていかなくてはいけない。初めて経験する大人の役です。東京公演の初日が開いてからは、本役の轟さんの演技を見ながら、立ち位置やたばこの持ち方などたくさん勉強させていただきました。ラヴィックの役は、「優しさ」をすべての元にしてつくりました。亡命者としての孤独感や葛藤も伝わるのではないかと思ったからです。
好きなシーンは、恋人のジョアンが死んでから親友・ボリスに見送られ、収容所へと向かうまでですね。ラヴィックの感情に流されて自分も感情的になりすぎないよう、感情のコントロールに苦労しました。その苦労も楽しかったです。
けいこ時間がなかなかとれなかったのも、大変でした。ジョアン役の紺野まひるちゃん=同左=と、おふろ場の脱衣所で死ぬ場面をコソコソとけいこをしたのも、いい思い出です。
これまでは、かわいいといわれることが多かったのですが自分の個性を出せる包容力のある男役を目指して頑張っていきたいです。