「望郷は海を越えて」では、エカテリーナ二世に仕える近衛隊士官・アレクセイを演じています=写真。宝塚公演ではエカテリーナ寄りの人間として解釈していましたが、東京公演からは軍人の部分を強く意識しています。エカテリーナに個人的な恋心を抱くのではなく、近衛隊の長として敬愛している。そして、愛国心、忠誠心を貫いていく男。国のためにクーデターを起こそうとする意気込みも伝えたいです。アレクセイは隊長ですが、皆と衣装が全く同じなので違いを見せるのも難しいです。
 みず・なつき 平成5年、「BROADWAY BOYS」で初舞台。下級生のころから、シャープな独特の個性で注目を集める。昨年、「ロミオとジュリエット」でバウホール初主演。今公演から宙組に組替えとなる。宝塚歌劇団提供 |
好きなのは「戴冠式」のシーン。オーケストラの演奏をバックに全員が緊張した雰囲気で銀橋を渡る。とても宝塚らしい場面です。軍服やサーベルの衣装も大好き。「サーベルにキスする場面はアドリブですか」と聞かれますが、あれは振りがついているんですよ。
ショーの「ミレニアム・チャレンジャー!」は、東京公演でSAMさん振り付けの「辰の刻(とき)」に参加しました。宝塚では、みんなが毎晩遅くまで残ってけいこしていたのを見ていましたので、「えらいこっちゃ!」と思いました。慣れないダンスなので、自分流にしてしまわないように気をつけています。
宙組は自由で、皆で一緒に舞台を作っていくんだという感じがあります。組替えでは急に上級生が少なくなりました。「ひとりで、ちゃんとやりなさい」と責任を渡されたようで、気持ちを引き締めています。