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宙組   久遠麻耶    
12.02産経新聞 田窪桜子


 

 くおん・まや 熊本県出身。平成6年、初舞台。翌年星組に配属、整った容姿で注目される。10年、宙組に組替え。昨年、「激情」で新人公演初主演。今後を期待される若手スター。宝塚歌劇団提供
 
 「望郷は海を越えて」の本公演は、主役の海人(和央ようか)にずっと付いている家臣の伊三役なので、新人公演で海人を演じるにあたって、和央さんから多くのことを直接感じ取ることができました。温かい人柄や皆を引っぱる強さなど…。

 難破しロシアに流れ着いたとき、海人自身にも不安や恐れがたくさんあったと思いますが、皆を励まし日本に連れて帰ろうと強く生きたのだと思います。宙組の新トップになられた和央さんと重なる部分がありました。

 新人公演では私が最上級生なので見習わなくてはと思いましたが、本番はものすごく緊張してしまって…。まず、幕開きの歌が私にとっての“鬼門”。演奏が笛の音など邦楽なので音が取りにくく、直前までテープを聞いていました。「望郷の舞」では、緊張で出した手が震えているのが自分で分かるぐらい。

 好きなシーンは、凍傷にかかった蔵人(新人公演は華宮あいり)の腕を切り落とした後の、海人と蔵人の二人の場。日本物の経験はほとんどなくて、難しくて苦労したシーンは全部です。立ち回りも難しかったのですが、これは回りの皆がタイミングを合わせてくれて助けてくれました。

 私はこの作品が、本当に好きになりました。いろんな人と出会い、そして別れていく。人と人のつながりを感じさせてくれる物語だからです。


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