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宙組   陵 あきの    
12.09産経新聞夕刊 田窪桜子



 りょう・あきの 平成2年、「ベルサイユのばら」で初舞台。8年、「エリザベート」でヴィンディシュを好演。10年、宙組に組替え。かれんな娘役から大人の女性まで演じることができる実力派娘役。

(写真・宝塚歌劇団)


 リュドミラは、ロシアに漂流したまま帰国をあきらめてしまった日本人、オトキチとロシア女性との間に生まれた娘。片言の日本語を話すのですが、この片言が難しかったですね。

 単語を並べるだけだと感情がどこかに行ってしまった感じで、ともすればふざけたみたいにとられてしまう。外国の方がお話しているのを聞いてみたり、海外旅行で自分も片言でもたくさん話すようにしたりして、役づくりをしました。

 好きなシーンは第9場「彷徨える魂」の秋月蔵人とリュドミラの2人の場。

 本当は好きなのだけれど好きといえない、もどかしさを表現するのに苦労した印象深い場です。

 リュドミラは、自暴自棄になっている蔵人の姿を父親に重ねている。父のようになってほしくない、立ち直ってほしいと願っている。演じるたびに新しい発見があります。

 惣右衛門たちが死んでしまうシーンは本当に辛いです。リュドミラは日本人じゃないのでみんなとは違う立場を心がけるように--と言われますが、この場面では、心が日本人の側に行ってしまいますね。

 宙組は、上級生から下級生まで刺激のある方が多く、自分を磨いていかなくてはと緊張感を持たせてくれます。

 下級生のころは「娘役はこうあるべき」と考えたりしましたが、今はいろんな役柄に挑戦していきたいです。


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