[ 産経新聞フロントページ | 産経新聞インデックス]
カット
専科   湖月 わたる    
12.16産経新聞 田窪桜子



 こづき・わたる 昭和63年、「春の踊り」で初舞台。翌年、星組に配属。平成9年、「夜明けの天使たち」でバウ・ミュージカル初主演。10年、宙組へ移り、12年、専科に配属。「月夜歌聲」は18-24日、東京・赤坂ACTシアターで上演された。(写真・宝塚歌劇団)
 
 男として育てられた名優の娘、アンシア(朝海ひかる)とともに、京劇の名優を目指すウェンフーを演じます。京劇「覇王別姫」の世界にあこがれ、舞台を目指し、まっすぐに育ってきた青年です。

 演出の先生から「心の広い包み込むような大きさがほしい」と言われましたが、純粋さと大きさの両方を表現するのが難しいですね。

 けいこではまず、京劇の形や立ち回りを身体に徹底的に覚えさせました。本場から取り寄せた衣装や小道具なども、普段の舞台とは全く違うのでおもしろいですよ。

 ただ、京劇をそのままやるのではないので、宝塚で京劇を取り入れるとこんな風になるんだ-というふうに楽しんでほしいですね。

 二幕は、事件が起きて「オペラ座の怪人」のように物語が大きく動きます。ウェンフー自身も体と心に傷を負って、大きく変わる。彼の純粋さが、逆に他人を傷つけてしまう。一幕から3年の時間が流れていますし、彼の心の変化をしっかり演じ分けなくてはと思います。

 好きな場面はラストシーンですが、どんな場面かは見てからのお楽しみ-ですが、1人の人を愛し続ける姿が感動的で、これはハッピーエンドなんだと思える、本当にきれいなシーンです。


 産経新聞購読お申し込み  産経Web-S お申し込み
産経Webに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産經・サンケイ)Copyright 2001 The Sankei Shimbun. All rights reserved.