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東京宝塚劇場  いよいよオープン!!
  月組 トップスター 真琴つばさに聞く    
01.01産経新聞朝刊 田窪桜子


 真琴 つばさ(まこと・つばさ) 昭和60年3月「愛あれば命は永遠に」で初舞台。愛称・まみ

 花道から舞台を見たら「今、私は宝塚にいるのかな?」と錯覚したぐらい、この新劇場は宝塚大劇場に似ています。やっと全部そろった、準備万端って感じ。「愛のソナタ」のテーマでもある、"あこがれ"や"ときめき"を感じますね。

 今回は、"こけら落とし公演"として見にいらっしゃる方が多いでしょう。でも、私たちはお祝いはしつつ、"こけら落としであること"に負けちゃいけない。

 こけら落としであることは、自分たちが舞台をやる上での勇気の源泉になる。そのオプションで私の退団がついてくる。自由の女神が右手に掲げているものがこけら落としで、左手にもっているのが退団って感じでやります。

21世紀もときめきを

 「愛のソナタ」で演じるオクタヴィアン伯爵は、宝塚の基本形の主役で、そこが難しさでもあります。ほかの役には、お金や結婚など生きていく上のテーマがあるんです。でも、この主人公にはあこがれはあっても、はっきりした形にはなってない。愛する人が現れて、初めて形が見えてくるんです。

 宝塚の舞台が続いている理由は、お客様があこがれたり、ときめいたりできる瞬間がそこにあるからだと思う。「そういう気持ちが大切だ」と改めて気づいていただいて、ときめく瞬間が21世紀にずっと続いていってほしいですね。

退団という名の"祝福"と明日の夢

 退団は、悲しいというより、自分の中での"祝福"でありたいです。

 退団後の夢は、今は持たないようにしています。夢は自分で作り出すものだと思いますが、今回に限り、やってくる夢を待ってみようかなと。

 舞台はすごく楽しいものであると同時に、すごく怖いものだと身に浸みていますから、きっともう立てないでしょうけれど。私が舞台を続けることができたのも、お客様と同じように、1つの公演の中に必ずやっててよかったと、ときめく瞬間があったから。月組のみんなにも、宝塚にいてよかったと思う瞬間を見つけていってほしいです。

 先日、辞書で「超感覚的知覚」という言葉を見つけたんです。「感じたことを自分で認識しなさい」という意味かな。その瞬間を「良かった」だけで終わらせるのではななく、自分自身にもう1回、良かったということを知らせてあげてください。

 21世紀になって何か目標を立てようと思うのですが、すごく大きくてできそうもないことを誓ってしまうと、いつのまにか忘れてしまいそうで…。

 でも、その中で小さいことをコツコツとためていけば、大きいことに変わる。今年は、それを楽しみにしていきます。(談)

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