 「女性から告白してもよいバレンタインデーを選びました」と話した愛華みれ。いつもの明るい雰囲気を記者会見でも崩さなかった=大阪市北区のホテル
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宝塚歌劇団花組のトップスター、愛華みれさんが14日、大阪市内のホテルで記者会見して「11月4日が千秋楽の東京公演を最後に退団する」と発表した。
これで昭和60年入団の同期生トップ4人のうち、3人が今年秋までに舞台を去る。
「トップになったときから退団のことは頭のすみっこにありました。この日(14日)を発表の日に選んだのは、女性から告白してもいいバレンタインデーだったからで、退団の決意は昨年春の公演『あさきゆめみし』で光源氏の役をいただいたときから固めていました」
「あさきゆめみし」は大和和紀さんの漫画を舞台化したもので、原作は「源氏物語」。美形のおっとりした雰囲気の愛華にぴったりな役柄として、光源氏が選ばれた。「これ以上の役はない」と感じていたが、同年末に宝塚大劇場で「ルートヴィヒII世」の公演予定があるのを聞いて、伝説のバイエルン美王も魅力ある役だと、退団発表を先送りしていたそうだ。
「退団後のことはまったく白紙です。支持してくださるファンがなければ、女優に転身しても存在できませんので、芸能活動をつづけるかどうかは未定です」と含みを持たせている。
しかし、大手のクレジットカード会社のイメージキャラクターを平成5年から務めており、テレビCMなどで「カードのお姉さん」と全国的に親しまれているスターだけに、女優転身の可能性は高い。
ラストステージは宝塚大劇場7〜8月公演「ミケランジェロ」「VIVA!」(東京=9〜11月)。
トップ披露公演は平成11年1月の「夜明けの序曲」で、昭和60年入団の同期生4人がほぼ同時にトップ昇格して話題になったが、すでに月組の真琴つばささんが5月、星組の稔幸さんが10月の退団を明らかにしており、今年は3人のさよなら公演が相次ぐ。
雪組トップの轟悠さんも同期生だが、中学を卒業してすぐの入団で、年齢的には愛華さんら3人より3歳下で、ここ1、2年で退団することはなさそうだ。
植田紳爾理事長は「最近はインターネットを使って、タカラヅカをめぐるウワサ話が飛び交っており、このプレッシャーに耐えるのも大変な負担になっている」と、無責任な情報に押しつぶされる現状を指摘している。