[ 産経新聞フロントページ | 産経新聞インデックス]
カット
花組   愛華みれ 退団発表会見    
02.15産経新聞朝刊 斉藤勝行


愛華
「女性から告白してもよいバレンタインデーを選びました」と話した愛華みれ。いつもの明るい雰囲気を記者会見でも崩さなかった=大阪市北区のホテル

 宝塚歌劇団花組のトップスター、愛華みれさんが14日、大阪市内のホテルで記者会見して「11月4日が千秋楽の東京公演を最後に退団する」と発表した。 

 これで昭和60年入団の同期生トップ4人のうち、3人が今年秋までに舞台を去る。

 「トップになったときから退団のことは頭のすみっこにありました。この日(14日)を発表の日に選んだのは、女性から告白してもいいバレンタインデーだったからで、退団の決意は昨年春の公演『あさきゆめみし』で光源氏の役をいただいたときから固めていました」

 「あさきゆめみし」は大和和紀さんの漫画を舞台化したもので、原作は「源氏物語」。美形のおっとりした雰囲気の愛華にぴったりな役柄として、光源氏が選ばれた。「これ以上の役はない」と感じていたが、同年末に宝塚大劇場で「ルートヴィヒII世」の公演予定があるのを聞いて、伝説のバイエルン美王も魅力ある役だと、退団発表を先送りしていたそうだ。

 「退団後のことはまったく白紙です。支持してくださるファンがなければ、女優に転身しても存在できませんので、芸能活動をつづけるかどうかは未定です」と含みを持たせている。

 しかし、大手のクレジットカード会社のイメージキャラクターを平成5年から務めており、テレビCMなどで「カードのお姉さん」と全国的に親しまれているスターだけに、女優転身の可能性は高い。

 ラストステージは宝塚大劇場7〜8月公演「ミケランジェロ」「VIVA!」(東京=9〜11月)。

 トップ披露公演は平成11年1月の「夜明けの序曲」で、昭和60年入団の同期生4人がほぼ同時にトップ昇格して話題になったが、すでに月組の真琴つばささんが5月、星組の稔幸さんが10月の退団を明らかにしており、今年は3人のさよなら公演が相次ぐ。

 雪組トップの轟悠さんも同期生だが、中学を卒業してすぐの入団で、年齢的には愛華さんら3人より3歳下で、ここ1、2年で退団することはなさそうだ。

 植田紳爾理事長は「最近はインターネットを使って、タカラヅカをめぐるウワサ話が飛び交っており、このプレッシャーに耐えるのも大変な負担になっている」と、無責任な情報に押しつぶされる現状を指摘している。


 産経新聞購読お申し込み  産経Web-S お申し込み
産経Webに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産經・サンケイ)Copyright 2001 The Sankei Shimbun. All rights reserved.