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月組   宝塚月組「プロヴァンスの碧い空」東京公演    
0312産経新聞夕刊(東京) 田窪桜子


宝塚歌劇団提供

 平成11年12月に大阪のシアター・ドラマシティで上演された宝塚歌劇団月組「プロヴァンスの碧い空」(太田哲則作・演出)の東京公演が、ファンの要望にこたえ実現した。月組の次期トップスターに決まった紫吹淳が主演。恋と友情に悩みながら成長する青年・アンドレ=写真=を演じ好評を博した舞台だ。

 「プロヴァンスの碧い空」は、フランスの小説「燃え上がる青春」(アンリ・レニエ作)とドイツの小説「消えぬ過去」(ズーデルマン作)を原作に構成。紫吹自身が題材を選び、上演の企画をすすめたという。

 「年上の女性との恋愛物をやりたいなあと思って、題材をあたためていました。ドロドロの恋愛物で、東京宝塚劇場のこけら落とし『愛のソナタ』のコメディーとは全く違う役柄です。音楽もフランス映画を思わせるようなきれいな曲ばかり。東京で再演できるとは思っていなかったので、とてもうれしい」と紫吹。

 19世紀のフランス。大学生のアンドレ(紫吹)は、母の誕生パーティーで、オーギュスト・ナンセル夫人のジェルメール(美原志帆)に出会い恋に落ちる。互いにひかれあい情事を重ねる二人だがナンセルに知れ、アンドレは決闘の末、ナンセルを殺してしまう。そして七年後、外人部隊に入隊しアフリカに滞在していたアンドレは、親友のフィリップ(初風緑)がジェルメールと結婚したことを知る…。紫吹と同期の美原、専科の初風ががっちりと組んで、3人の心をていねいに描き出す。

 紫吹は「一人の男の10代、20代、30代と人生を追いながら演じる難しさと面白さの両方を味わった作品です。アンドレは男の友情と愛から、若気の至りでつっぱしってしまい、大人になっても、ずっともがき苦しむ。愛にもいろいろあって、その愛によって成長していく姿がじっくりと表現できれば」と張り切っている。

 ほかに大空祐飛、光あけみ、磯野千尋、美々杏里、花瀬みずからが出演。20日まで、東京・ルテアトル銀座で。問い合わせは阪急電鉄歌劇事業部TEL03・5251・2071。


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