『猛き黄金の国』では現代の青年、矢島彌太郎を演じています。ガールフレンドのヒトミと、旅先で出会った神宮寺さんに岩崎彌太郎の話を聞く。その話が舞台の物語となって展開します。
今どきの若い男の子を表現しながらも、宝塚の舞台ですからセリフは崩せないし、お客様に伝わらなくてはいけない。そのバランスがすごく難しかったです。演出の石田昌也先生からは、外見はちゃらんぽらんで茶髪でも、中は芯(しん)のある青年にと言われました。
舞台に上がって、自分たちが神宮寺さんの話に納得し興味をもって聞かないと、お客さまも物語に入っていけないと気づきました。重要な役まわりを仰せつかったんだなと思いましたね。出番ごとに、神宮寺さんに向ける集中力のレベルを上げていくようにしています。
好きなのは最後のリクルートスーツの場面。旅を終えたあと彼はすごくがんばったと私は思うんです。そのがんばりを感じ取ってもらいたいです。
ショーの『パッサージュ』ではいろんな天使で出ています。
演出の荻田浩一先生に「ただかわいいだけの天使じゃできないでしょ。地を出していいよ」といわれ、自分なりに考えて地でやったら、ひねくれた天使になっちゃった。天使にもこんなにバリエーションがあるんだなと楽しんでやっています。