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雪組   音月桂    
010616産経新聞東京夕刊


PROFILE おとづき・けい 埼玉県鴻巣市出身。平成10年、『シトラスの風』で初舞台。昨年は『ささら笹舟』の明智光忠、『月夜歌聲』のフォンライなどを好演。今回、入団三年目で『猛き黄金の国』新人公演の主役に抜てきされた。
■緊張を?

 『猛き黄金の国』の新人公演では、配役発表でトップスターの轟悠さんの役と聞いたときは、責任感、プレッシャーで“ヘこみ”そうになりました。

 すごく緊張して、舞台そでで手のひらに「人」という文字を書いて“何人”飲んだかわからないほどでした。

 ほかの人にも緊張をうつしちゃうので、みんなに「そばに寄らないで」と言われていましたね。

■役作りは?

 岩崎彌太郎役は、青年から五十代まで表現し、演じなくてはならない役です。年をとったからとセリフや動きをスローにしがちですが、形だけで演じると違う人間に見えてしまう。若かりしころのイメージを残しつつ、場面ごとに年をとっていく姿を表現するのが難しかったですね。

 そして彌太郎、豪快で明確な意志をもった人物。ほかにも坂本竜馬、吉田東洋ら個性的な人物ばかり登場するので、周囲に押されないよう大きく見せようと思いました。

■好きな場面は?

 好きな場面というか胸にぐっときたのが、夜逃げするところをみつけられた母親から「根を切ってはならない」と諭される場面。自分も中卒で宝塚に入り寮生活になりました。この場面が、そのときの私の母の言葉とだぶってしまい、おけいこ中は思わず涙が出てしまいました。

 これまで新人公演は、下から見上げて盛り上げようという立場でしたが、今回は堂々としていなくてはならない役。でも意識しすぎず、今の学年の、今の私でしかできない彌太郎をと演じるように心がけました。




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