SUMiRE STYLE    010630産経新聞東京夕刊    

  素直な気持ちで前向きに    月組 映美くらら


『イーハトーヴ 夢』の役どころは?

 『イーハトーヴ 夢』では宮沢賢治(夢輝のあ)の妹のトシを演じています。

 脚本・演出の藤井大介先生と夢輝さんとで賢治さんの生まれ故郷、岩手県花巻市を訪ねてから、作品のイメージが膨らみ、お墓参りをしたときは胸が熱くなりました。

役作りは?

 役づくりはトシが賢治にとっての単なる妹では終わりたくないと考えました。トシは賢治にとっては理想の女性だと思うのです。母や姉や妹であり、双子のようだったり、恋人のようだったり。優しく包みこんであげるような存在ですね。

 元気な場面は少しで、あとは病気。目線やしぐさでトシの心をどう表現するか難しかったです。

 後半はタイタニックの少女で登場します。最初、台本を読んだときはトシとは全く別人かなと思ったのですが、けいこを重ねるにつれ、奥底でトシと共通する部分があるんだなと気づきました。

好きな場面は?

 好きなシーンは、トシが死んだ後のねったんさん(夢輝)の歌ですね。自分がトシになりきっているから、兄さんの思いに胸が痛くなります。

 今、いろんな事件が起きていますが、何のために生きているか、優しさや純粋さ、命の大切さをあったかく伝えることができればいいですね。

月組娘役トップに大抜擢ですが?

 きょう三十日から月組に組替えですが、まだ、やっと何かが見え始めたばかり。前向きにプラスに考えて、素直な気持ちを忘れずに取り組んでいきたいです。

               

田窪桜子@産経新聞文化部    




PROFILE えみ・くらら 熊本県出身。平成11年、『ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台。星組に配属。昨年は『花吹雪 恋吹雪』の茶々を好演。8月の紫吹淳の月組トップスター就任にともない、入団3年目で月組娘役トップに抜てきされた。


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