
みみ・あんり
昭和63年「キス・ミー・ケイト」で初舞台。星組に配属。平成8年に雪組、10年に宙組を経て、昨年、月組へ組替え。娘役として得意の歌を生かし、幅広い役柄で活躍している。
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これまでは母親役など色恋に縁遠い役柄が多かったので、「愛のソナタ」のマリー・テレーズ元帥夫人=写真=のような艶っぽい役は本当に久しぶりです。
しっとりと落ち着いていて人生を分かっている魅力的な女性ですが、けいこでは落ち着きすぎて老けてみえてしまい苦労しました。
セリフのトーンひとつでも娘役の印象は違ってきます。今回は、少し高めのトーンで艶かにと心がけています。
結婚生活に陰りが見え、若く美しい男爵・オクタヴィアン(真琴つばさ)と不倫しているテレーズですが、彼への思いは本物だと思います。
でも、可能性のあるオクタヴィアンの未来を考えて、背中を押してあげる。「自分が身を引く」という押しつけがましさではなく、オクタヴィアンの思いを尊重して、包み込むように送り出すような気持ちでいます。同性からも好かれる女性に見えるといいですね。
これまで意外とチャンスがなかったデュエットも歌わせていただけて念願がかないました。
女優としてもひとりの女性としても、いつもときめいて、毎回新鮮な気持ちでいたいと思っています。そういう意味でも全然知らなかった自分の一面を発見できた役ですね。どんな役でも演じた分だけ自分の身についていくと思うので、これからも老若男女問わず何でも挑戦していきたいです。