「ベルサイユのばら」は新人公演で初主役をした思い出深い作品です。
小学生のとき漫画で読んだ面白さ、入団して下級生のときに見た感覚、そして今回と、内容の読みこみ方が違ってきているんです。より厚みが感じられ、自分も成長したかなと思えました。
アンドレ役はオスカルとのラブシーンとか、どの場面もすてきすぎて、好きな場面は決められません。劇中のBGMもすてき。幕開きで音が聞こえてくると、それだけで「わー始まる」という感じがして、演じるほうも高揚します。
アンドレはオスカルを思い続けて、殺してしまおうかと思うほど好きになる。でも育ってきた環境、身分が違う。常に寂しさや孤独感があったと思います。一方でオスカルに対する包容力、誠実さが彼の男としての魅力でもあると思います。
「愛あればこそ」「白ばらの人」などの歌は、聞き覚えていた感覚と違って、すごく難しいですね。それから所作。歌舞伎の様式のような、“ベルばら様式”という、長谷川一夫先生が作られたものがあるんです。一見、普通とは違う動き、立ち方ですが舞台ではこれが生きてくるんです。
今回の役替わりのアンドレ(ほかに湖月わたると樹里咲穂)で、私が一番身長が低い。だから中身で勝負!かな(笑い)。かつらや衣装を研究して、原作のイメージをくずさず、素直に演じようと思っています。