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専科   湖月わたる    
010421産経新聞夕刊 田窪桜子


湖月わたる
こづき・わたる 昭和63年、『春の踊り』で初舞台。星組に配属。9年、『夜明けの天使たち』でバウ公演初主演。翌年、香港公演参加。宙組のスターとして活躍。昨年6月、専科に配属され、『月夜歌聲』に主演。
 『ベルサイユのばら』の挿入歌は、『愛あればこそ』などシンプルですよね。心で埋めるしかない。心のある方が歌い継いできたから名曲は残ったんだな、改めていい曲だなと思います。この歌を舞台で歌えるときがくるなんて思ってもいなかったので、アンドレ役=写真右=をいただいたときは不思議な感じがしました。

 初めて通しけいこをしたとき、二幕でオスカルが結婚するって聞いたとたん、もう本当に嫌で。そのとき、自分にきたショックがすごかった。毒を盛った後、彼女にあやまって、「ジェローデルと幸せに」と去ったときも心が痛くて、どうしたらいいか分からないほどぼーっとしちゃって。心が疲れてしまった。

 その後、手を握られて「好きか?」なんて告白されたら、もう幸せですよ。「セピア色の化石ともなれ」なんて普通ならかゆいようなせりふが、そのシーンになったらすんなり出てくるんです。

 『ベルばら』の登場人物ではオスカルが好きなんですよ。そのオスカルをひたすら愛する役ができるというのは、ファンみょうりにつきます。オスカルを愛しているけど、結婚できないとあきらめながらそばにいる。その辛さがアンドレを大きくしたんですね。オスカルを思い、守り、ともに生きて最後は結ばれる。彼の人生は幸せだったんだなと思います。


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