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花組   瀬奈じゅん    
010512産経新聞夕刊 聞き手・田窪桜子


せな・じゅん 平成4年、『この恋は雲の涯まで』で初舞台。花組に配属。10年、『SPEAKEASY』で新人公演初主役。『ルートヴィヒII世』ではオットーを好演。アベ・プレヴォー原作『マノン』(18日まで、日本青年館大ホール)に初主演している。
 初めて主役をさせていただいた『マノン』の初日の幕が下りた瞬間、いろんな方の温かい気持ちや愛をたくさん感じたんです。

 もちろんこれまでも感じていましたが、より深くて、本当に幸せなことをさせていただいたんだなと思いました。

 私の演じるロドリゴは名家の出ですが、マノン(彩乃かなみ)に出会い、ほんろうされていきます。モノクロからカラーの世界に、何かに追われる生活から追い求める生活に変わっていく。その変化の中でも、品をなくさないように演じています。

 ロドリゴの変化を、最初のけいこではとても意識していました。でも通して演じてみると、変化が自然に生まれてきた。決めつけて演じるだけじゃだめだなと気づきました。同じ苦悩でも最初と後半では全く違います。

 でも、私自身の表現方法が少なくて…。自分の経験だけじゃまだまだ足りない、アンテナを張っていろんなことを感じ取らなくてはと思いました。

 前半のフィエスタの夜の場が好きです。フェルナンドからマノンを奪い返しに行く会話や間が人間らしくて好きなんです。

 フラメンコは激しい踊りだと思われがちですが、最小限の動きで最大限の力を出す。難しいですね。

 立ち回りもハードですが、駆け引きが面白いです。

 人間ならだれでもがあこがれる感情の代表がロドリゴだと思います。

 東京公演では、もっとドラマチックに、もっと情熱的にやりたいです。

  


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