雪組 轟悠 インタビュー

 02/01/05 産経新聞東京夕刊
 Text By Takubo,OKO/田窪桜子



−−役作りは?

まず最初に台本を読んで感じたことを大事に持ち続けるようにしています。演出の先生に、初めにお聞きするのは「お客さまに何をお伝えするか」です。

−−この『愛 燃える』では?

「口では平和、平和といっているけど、果たして何が平和なのか」という話をしました。宝塚ですから愛の物語の中に、伝えたい事柄をきっちりと描ければと思います。

−−演じる呉王の夫差とは?

最後に王ではなく、1人の男という立場にやっとなれます。でもそれと同時に国は滅んでしまう。胡弓の不思議な音のように、気持ちが微妙に変化していく役柄ですね。

−−呉王の夫差を演じるうえでどのようなことに気を遣いましたか?

いつも役の性格を細かく分析するより、役の心の動きを大切にします。五感で感じたものを大事に演じます。

−−ショーの『Rose Garden』については?

バラが題材のショーです。歴史上、人が一番愛した花はバラだそうです。時代が変わっても、変わらない人間の心の中のあたたかさや美しさがテーマ。人間ってすばらしいと、劇場にいるわずかな時間でも夢の中にひたっていただければいいですね。

−−これが雪組では最後の舞台ですが

どんな立場になっても宝塚に対する思いは変わりません。より責任ある立場になると、「できて当たり前」になりますが、自分に厳しく楽しくいたい。微力ですが、宝塚に少しでも貢献できる、何気ない道標みたいな存在になれればなと思っています。

      

とどろき・ゆう 昭和60年、初舞台。月組に配属。63年雪組に組み替え。平成4年、バウホール公演初主演。『風と共に去りぬ』のバトラー、『エリザベート』のルキーニなどを好演。9年、雪組トップスターになり、『ノバ・ボサ・ノバ』『凱旋門』でも高い評価を得る。2月12日付で専科に配属となる。


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