[ 産経新聞フロントページ | 産経新聞インデックス]
カット
専科   汐風幸    
Mostly Classic 01.01.10/モーストリー・クラシック1月10日号 田窪桜子


汐風 しおかぜ・こう 昭和63年、「キス・ミー・ケイト」で初舞台。花組に配属される。平成2年、「ベルサイユのばら」の新人公演でオスカル役に抜擢される。翌年、「ボンジュール・シャックスパー!」でバウホール公演初主役。8年、「銀ちゃんの恋」では「蒲田行進曲」のヤスを熱演し、説得力のある演技力で好評を博す。9年、雪組に組替え。10年、「心中恋の大和路」でバウホール主演し、日本物の美しさが話題に。12年、専科に配属。雪組の東京公演「デパートメント・ストア」「凱旋門」に出演する。(撮影・三好英輔)
 小学生のころから洋楽が好きで、「ベスト・ヒット・USA」などに接していました。クラシックは音楽の授業で聴く程度で、当時はあまり感心がなかったですね。興味を持つようになったのは、宝塚歌劇団に入ってからです。

 宝塚に入りたいと思ったのは突然だったので、それまでピアノもクラシックバレエもやっていませんでした。試験の前に2、3回バレエを習った程度。宝塚音楽学校のピアノの授業は、バイエルからスタートしたので苦労しました。

 それでも、音楽学校に入るとクラシック音楽は自然と耳に入るようになってきましたね。本格的に聴き始めたのは研2(入団2年目)のころ、「チャイコフスキー殺人事件」という舞台を見たのがきっかけです。テーマ曲が「愴」だったのですが、初めて自分でクラシックのカセットを買いました。その後、はまったのが「レクイエム」。最初に手にしたのがたまたまカラヤンのものだったのですが、聴き比べると微妙に違うのですね。でも、カラヤンが一番好きです。

 今、興味があるのはヴァイオリンの音です。友だちがプレゼントしてくれたヴァイオリニストの二村英仁さんのCDをよく聞いています。タンゴの「アディオス・ノニーノ」のヴァイオリンの音色が好きで興味を持ち始めたのですが、同じ楽器でも本当にいろいろな音色があるんだな感じます。

 全くの独学なので、恥ずかしいのですが、実はプライベートでサックスをやっています。音で表現してみたいなあと思って、宝塚のオーケストラの楽器をいろいろ触らせていただいたら、サックスが何だか自分に合っていたので。

 音って本当に心に響きますよね。理屈ではなく涙が出たり、パワーが沸いたり。以前、実験してみたことがあります。楽屋を急いで出なくちゃいけない時に、運動会でおなじみのオッフェンバックの「天国と地獄」のカンカンを流してみたんです。そしたら、どの楽屋より私の楽屋が早かったです。

汐風2

 私にとって音楽は、すごく身近にあって癒してくれたり力づけてくれる、一生離れられないもの。そして私の周りの空気を彩ってくれるものだから、生活の一部にずっと居てほしいものですね。


 産経新聞購読お申し込み  産経Web-S お申し込み
産経Webに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産經・サンケイ)Copyright 2001 The Sankei Shimbun. All rights reserved.