今春、宝塚歌劇団の東西同時公演でブームが再燃している「ベルサイユのばら」。原作者で漫画家の池田理代子さんが、今度は自ら台本を書き、オペラ化を目指している。曲は公募する予定。完成までかなりの時間を要するが、東京の大手ホールからは初演のラブコールがあるという。
池田さんによると、主役の「オスカル」が華麗に登場する序幕の台本がほぼ完成。オスカルの恋物語、フランス革命の動乱、悲劇的な結末まで、残り計三幕をあと数年で書き上げ、イタリア語に翻訳する。
これを基に、オスカルと恋人「アンドレ」の二重唱や、「マリー・アントワネット」のアリアなどの作曲者を公募。優に三時間を超える大作になる見通しだ。
「ベルサイユのばら」の連載が「週刊マーガレット」(集英社刊)で始まったのは一九七二年。単行本の発行部数は日本だけで計千二百万部以上。アニメなどになり、欧米やアジアでもファンが多い。日本語ではなくイタリア語にするのも、世界に通用する日本のオペラを目指すため、という。
 |
池田理代子さん |
池田さんは東京音大で声楽を専攻。「音大に入った時から、ベルばらをいつかオペラにしたいと思っていました。巨額の制作費を負担してくれるスポンサー探しなど、課題は山積みですが、だれもが親しめるオペラになるよう頑張ります」と話している。