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  華やかに「ベルばら」前夜祭    
演劇コラムニスト 石井啓夫


前夜祭


 四月、宝塚史上初めてとなる「ベルサイユのばら」東西同時上演をする宝塚歌劇団では、三月十六日に東京宝塚劇場、十九日に宝塚大劇場で、「ベルサイユのばら2001」前夜祭を行った。

 十六日、東京で行われたのは、三月三十日から五月六日まで上演される星組の「ベ ルサイユのばら2001−オスカルとアンドレ編−」の前夜祭。上演中の花組公演終了後の午後六時半から、星組組長、英真なおきの司会により開会が宣言されると、星組トップスター、稔幸が十六人の男役をバックに「黒ばら」のシーンを歌って踊っ た。この場面は、今回の星組「ベルばら」のために用意された新しいフィナーレ・シーンとなる。

 その後、「ゲストコーナー」となり、作品の原作者である池田理代子さん、植田紳爾歌劇団理事長、歴代オスカル・スターから榛名由梨、汀夏子、一路真輝が、一九七四年の初演の思い出、「平成のベルばら」と呼ばれた再演のブームなど、それぞれエピソードを交え、和やかなトークを披露した。

 続いて、ゲストスター による「ベルばら」メドレーとなり、一路が「愛の巡礼」、汀が「ばらベルサイユ」、榛名が「白ばらの人」を歌った後、東京音大声楽科を卒業した経歴を持つ池田さんが、堂々としたオペラ歌唱でマリー・アントワネットの歌「青きドナウの岸辺 に」を朗々と歌い、満場の客席から喝采を浴びた。

 星組公演出演者による歌唱コーナーでは、まずアンドレ役で出演する専科の香寿た つき、樹里咲穂がデュエットで「こころの人オスカル」を、続いてマリー・アントワネット役の星奈優里とフェルゼン役の安蘭けいによる「愛の怯え」、オスカル役の稔が「我が名はオスカル」、そしてアンドレ香寿が加わって、稔と、オスカル=アンドレの名シーン「今宵一夜」を再現しながら「オスカルの居間」をデュエット、客席をしんとさせた。最後は、ゲストを含めこの日の出演者全員で、「ベルばら」の主題歌「愛あればこそ」を合唱して、前夜祭の幕を降ろした。

 なお、十九日の宝塚大劇場では、四月六日から五月十四日まで同劇場で上演される宙組「ベルサイユのばら2001−フェルゼンとマリー・アントワネット編−」前夜祭で、和央ようか、花總まり、彩輝直、水夏希他宙組メンバーとゲストに初風諄、鳳 蘭、大浦みずき、日向薫が出席して、歌とトークを披露、また、今年デビューする初舞台生の紹介も行われた。


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