『ベルサイユのばら』は音楽学校の本科生のとき、どうしても見たくて、立場を隠して当日券をゲットして見に行ったぐらいファンです。初舞台も『ベルばら』、初めて月組に配属された初組子も『ベルばら』。初舞台では、先輩たちの迫力がすごくてついていけなくて、同期生と四人で泣いていた思い出があります。私の原点ですね。
今回、上演が決まって何の役かなと思っていたら、「アンドレ!」。驚きました。イメージは崩さず、でもお客さまのもっているアンドレ像をいい意味で裏切りたい。演じすぎず、素直にどーんとオスカル(稔幸)にぶつかっていきます。
様式を重視する作品ですので、立ち居振るまいが難しいですね。見せ方や目線が決まっていますから。今回のアンドレは三人(香寿たつき、湖月わたる)の役替わり。私は最後の登場ですから、ほかの方の舞台を見て勉強できました。
オスカルって正義感が強すぎて優しすぎて、かわいそうなぐらい。シリアスに生きて突っ走るオスカルを、アンドレはいちずに思っている。そんなアンドレは、ほっとできる、いやし系の存在でもあると思っています。
歌はめちゃくちゃ難しいです。『愛あればこそ』は、愛という言葉が何回も出てきますが、すべて意味が違う。パンチのある歌をバンバン歌ってきたので、繊細に歌うことにも苦労しています。