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チャーリーを待ちながら

 02/05/11 速報
 text and photo by Ishii,TAKESHI/石井健

宝塚歌劇団花組の「ミュージカル・ロマン『琥珀色の雨にぬれて』」「レビュー・アラモード『Cocktail−カクテル−』」東京公演が11日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で始まった。

宝塚歌劇団花組の「ミュージカル・ロマン『琥珀色の雨にぬれて』」「レビュー・アラモード『Cocktail−カクテル−』」東京公演
※写真をクリックするとグラフが見られます


トップスター、匠ひびきのさよなら公演だが、匠が病気治療中のため春野寿美礼が匠の代わりを務める代役公演としてスタートした。

歌劇団によると、匠はこの日も「設備の整った病院内で治療及びリハビリ中」だという。

匠はこの日、歌劇団を通じて次のような言葉を寄せた。

このたびは、私の病気のために、みまさまがたにご迷惑をおかけいたしておりますことを改めておわびいたします。
また、お寄せいただきました励ましのお便りに対しまして、本来ならお1人ずつ御礼申し上げるべきところでございますが、失礼をいたしておりますことをお許しください。
日ごろから舞台人として、人一倍健康には留意してまいりましたが、今回の症状は骨折やねんざなどの外傷ではないので、自分としても歯がゆい毎日でございます。
お医者さまとも相談しながら、1日も早く東京宝塚劇場の舞台に立てますように、毎日治療・リハビリをいたしております。
どうかもう少しお待ちくださいますようにお願いいたします。みなさまには、私の分にもましまして、留守を預かる夏美よう組長をはじめとする花組の全メンバーの奮闘にご声援いただきますようにお願いいたします

同日は午前10時から、代役による通しけいこが行われた。

匠の代役を務める春野は、代役公演のメンバーを代表して次のようなコメントを発表した。

トップスターの匠ひびきさんが、急きょ病気のために、東京宝塚劇場公演をしばらくの間、休演されることになり、花組のメンバーでその留守をお守りし、代役公演を行うことになりました。
おけいこ期間が短かったこと以上に、トップスターとしての匠ひびきさんの存在を、あまりにも大きく感じる毎日です。
残された花組生徒が、スタッフのみなさんや組長、専科の矢代鴻さんらの指導を得まして、全員で舞台を務めてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
そして、何よりも匠ひびきさんが1日も早く花組の舞台に復帰されますことを出演者一同心よりお待ちいたしております。

「カクテル」は、トップの見せ場がたっぷりで、特に大階段に電飾で「CHARLIE」と匠の愛称が浮かび上がる場面は匠のさよならにふさわしい演出。それを匠不在で演じるのは確かにさびしい。が、その大階段の場面は同時に、花組のだれもが1日も早い匠の回復を祈るかのようにも見える。

さらに「カクテル」は、終盤をサザンオールスターズの歌でたたみかける構成で、この宝塚流編曲によるサザンはとてもよく、とりわけコーラスも豊かな「みんなのうた」が素晴らしいのだが、まさに、花組「みんなのうた」が聴ける日が1日も早く訪れることへの祈りの歌のようにも聴こえる。

だから、代役の公演の間も、おそらくファンならば、そこにいないはずの匠の大きな存在感をひしひしと感じる舞台になるのではないか。




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