●だが、カラフの与えた猶予は悲劇を招く。カラフに助けられて以来、心を寄せ続けていたアデルマがともに北京から逃げようともちかけて断られ、恋慕は激しい憎悪に変わる。バラクに連れられた父とカラフが会っている場面を目撃したアデルマは、このことをトゥーランドットに注進。トゥーランドットはバラクのもとへ兵を差し向ける。
みどころのひとつ。バラクと兵士が水の中で死闘する。実際の水が使われるのだ。水夏希演じるバラクは、粗野だが気のいい盗賊で、いかにも宝塚が造形する愛すべき悪党。和央のカラフが運命に導かれているゆえの冷静沈着であるのと好対照で、メリハリがきく。水中での死闘の末、バラクは命を落とす。バラクだけではない、次々と人々が命を落としていく。 |