産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
淀川長治の銀幕旅行
「フル・モンティ」
この記事は産経新聞97年10月14日の夕刊に掲載されました。
1997年アメリカのフォックス映画。ただし、スタッフ一同イギリス総掛かり。この映画、アメリカでもイギリスでも今年の興行記録をとった。

このところ、香水の広告にまで登場するように、すでに男のヌードはニューファッション。

これにいち早く目をつけたのが、日本の『シコふんじゃった』(平成3年)だった。男の裸が、片足を思い切って高く上げて踏ん張るのが見どころだった。

今や男女のセックスシーンで客を呼ぶのは時代遅れというわけて、世界一の“カタブツ精神”のイギリスが、男6人のストリップ映画に乗り出した。

今時は、ニュースなどでも見ることがある男のストリップ。イギリス人はその見せ方に芸術をあふれさせた。

男6人失業。ピーター・カッタネオ監督(33)は、まず北イギリスの炭坑町の失業6人男(ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン、マーク・アディ、リスリー・シャープ、ポール・バーバー、スティーブ・ヒューイソン)をマジに見せる。爆笑したい客の口を押さえたその映画入り口は失敗だが、男6人がスッポンポンにならざるを得ない悲しさがにじむ中盤から爆笑の爆弾の導火線に火がつく。

さて、その6人のストリップに、キャズ(カーライル)の9歳の息子(ウィリアム・スネープ)が父を理解する。この子が舞台のミュージックテープ係になるあたりから、爆笑に明るさがあふれる。

カーライルはイギリスの第一級俳優。かかる連中がストリップをするまでの勇気を手始めに、パンツいっちょうになってお互いの体を見比べるところが、実は本物の見どころ。

場内超満員の女性のきょう声の前で、オヤジ六タイプの見える見えるのおしりのかわいさを、まず、ごろうじろ。

なお、「フル・モンティ」とはすっぽんぽんの意味。  (映画評論家)



産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは記事のページです

故淀川長治さん

平成2年から10年まで産経新聞に掲載された連載の再録です。

フル・モンティ

監督:
ピーター・カッタネオ

脚本:
サイモン・ボーフォイ

製作:
ウベルト・パソリーニ

撮影:
ジョン・デ・ボーマン

音楽:
アン・ダドリー

美術:
マックス・ゴットリーブ

衣装:
ジル・テイラー

出演:

ロバート・カーライル

トム・ウィルキンソン

マーク・アディ

リスリー・シャープ

ポール・バーバー

スティーブ・ヒューイソン

ウィリアム・スネープ

ヒューゴ・スピーア

エミリー・ウーフ

レスリー・シャープ