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CinemaClip
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ENAKが観た「私の頭の中の消しゴム」
忘却という暗闇 想いという光の一筋
10月11日(火) by 久保亮子
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中世の北京。紫禁城の姫、トゥーランドットの美しさに魅せられた流浪の王子、カラフは、姫の結婚の条件である「3つの謎(なぞ)解き」に挑戦する。失敗すれば処刑。カラフは見事に謎を解き明かし、トゥーランドットに求婚するが、姫は約束の実行を渋る。そこでカラフは逆にトゥラーンドットに謎かけをする。「明朝までに私の名前を言い当てたら、私の命をあなたに与えよう」。王宮内では役人たちが懸命にカラフの素性を調べるが、分からぬまま夜は明ける…
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イタリアオペラの巨匠、プッチーニ作の歌劇「トゥーランドット」だ。役人たちが夜を徹して布告するなか、カラフは勝利を信じた余裕から歌劇の主旋律ともいえる名曲「誰も寝てはならぬ」を高らかに歌い上げる。
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「誰も寝てはならぬ」−。この名曲がスクリーンから響き渡る。ウエディングドレスに身を包んだスジン(ソン・イェジン)がゆっくりと階下で待つチョルス(チョン・ウソン)のもとへと下りていく。スジンの視線は、友人の向けるカメラなどおかまいなしにチョンスだけを見つめる。
幸福に満ちあふれた美しい場面だ。このとき、やがてスジンに“夫の名前すら思い出せない”日々が訪れ、チョルスが命を賭しても“妻の消滅”を避けることができない現実がやってくるとは、夢にも思ってはいない。
この映画は、若年性アルツハイマー病に冒された新妻とその夫との生きていく決意を描く。記憶が次第に失われていくスジンにチョルスは苦しみながらも、2人のための懸命の一歩を探す。
「観客の心に涙の落ちる音が響くような映画にしたかった。その涙の音が私たちの毎日を大切に楽しく生きる糧(かて)となればうれしい」
イ・ジェハン監督(34)は繊細に語る。明るく、悲しみの深い映画だ。スジンとチョルスの悲運を強調するためにも、それまでの2人の愛情の深さの描写は欠かせず、2時間の物語の多くを2人の幸福な時間にあてる。
恋の始まりは、スジンのひとめぼれ。工事現場で働くチョルスの無愛想だが、骨っぽい男らしさにひかれる。スジンの多少、強引なアプローチも彼女の純粋さゆえ、清々しく映る。やがて殺風景だったチョルスの自宅は、スジンのためを思ったチョルスお手製の家具やキッチン用品で満たされていく。
そのなかで迎える悲劇。記憶が暗闇へと埋没していくなか、スジンは思い出という光を求めてさまよう。一瞬だが、一筋の光をつかまえたとき、スジンはすがるようにチョルスへの想いをつづる。
「私はあなた、チョ・チョルスだけを愛しています。どうか、消えていく記憶の中で最後まで残っているのが、あなたと過ごした日々でありますように」
チョルスはスジンの記憶の断片にそれまでの想いを届けようとする。たった一言。スジンにその言葉は響くのだろうか−。
* * *
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一夜明けた紫禁城。トゥーランドットの心を征服したと確信に満ちた王子、カラフは自ら名を明かし、彼女に命を預ける。朝日が昇るころ、トゥーランドットは宮廷前の広場に向かって叫ぶのだ。「彼の名は“愛”!」
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「私の頭の中の消しゴム」インタビューは
こちら
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「私の頭の中の消しゴム」記者会見は
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(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2005.The Sankei Shimbun All rights reserved.
10月22日(土)、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系ロードショー
公式サイトは
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【物語】
工事現場で働く無愛想な大工、チョルス(チョン・ウソン)は、コンビニで思わぬハプニングから、おっちょこちょいだが純粋さが魅力のデザイナー、スジン(ソン・イェジン)と出会う。やがて恋に落ち、結婚する2人。チョルスは建築家となってスジンと幸福な生活を送っていた。だが、スジンは自宅への帰り道に迷ったり、チョルスのお弁当にご飯だけを2つ包んでしまったりと物忘れが次第に激しくなっていく。不安から診察を受けるスジンは若年性アルツハイマーと診断される。チョルスの献身的な支えのなかでゆっくりと記憶を失っていくスジン。やがて愛する夫すら分からなくなっていく…
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