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オマージュ要素でファンサービス
「ロッキー・ザ・ファイナル」17年ぶり英雄復活
  東京朝刊 by 岡田敏一
「ロッキー」が1990年の前作から17年ぶりに復活した。20日公開の「ロッキー・ザ・ファイナル」。シルベスター・スタローンふんするかつての名ボクサー、ロッキー・バルボアが現役に復帰してヘビー級チャンピオンに挑むという物語だが、リアルタイムでシリーズを楽しんだ人なら、懐かしさとともに勇気や情熱を感じられるだろう。

映画「ロッキー・ザ・ファイナル」
映画「ロッキー・ザ・ファイナル」

引退後、故郷フィラデルフィアでイタリア料理店を経営するロッキー。愛妻エイドリアンには先立たれ、会社員の息子ロバートも父に反発して家を出ていった。エイドリアンの命日に墓参りをしたロッキーは再びボクシングの道を歩むことを決め、プロボクサーのライセンスを勝ち取る。

そんななか、米スポーツ系テレビ局が、連戦連勝なのに全く人気がない現役ヘビー級チャンピオン、ディクソン(アントニオ・ターヴァー)とロッキーとのコンピューターによるシミュレーション番組を放送。これが大反響を呼び、ディクソン側はイメージアップのためロッキーとのエキシビション・マッチ(勝ち負け抜きで行う特別試合)を企画する。快諾したロッキーは猛練習を積んでラスベガスのリングに上がる…。

今回がシリーズ6作目だが、あの有名なテーマソングが流れる回想場面だけで感動する人も少なくないはず。ロッキーがフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がったり、生卵を一気飲みしたりといった映画史に残る名場面も再現するなどファンサービスも手厚い。

ロッキーにメディアは冷たい言葉を浴びせ、息子も「笑いものになるだけだ」とあきれる。だが彼は「挑戦しようとする人間を止める権利が誰にある?」「自分を信じなければ人生じゃない」「人生ほど重いパンチはないんだ」と逆に息子を諭す。

無名だったスタローンが脚本を書き上げ、自身が主演した1作目(76年)は大ヒットを記録。アカデミー賞で作品賞など3部門を獲得した。実際にアメリカン・ドリームを体現した本人のせりふだけに、ずしりと響く。

「どんなに強く打ちのめされてもこらえて前進することだ。そうすれば勝てる」。これぞロッキー。若い世代にも見てもらいたい。

◆シルベスター・スタローン来日記者会見はこちら



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