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日常忘れる大人の社会科見学
なりきり体験ツアー盛況 CA、舞妓、電車の運転士…
  東京朝刊 by 田辺裕晶
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男の子が夢見る職業といえば電車の運転士。ANAセールス(東京)がこの8月に開催した「東京メトロまるごと体験ツアー」は、東京メトロの研修センター(動力車操縦者養成所)で運転士が実際に使うシミュレーターを使った訓練ができるというもの。簡略化された疑似シミュレーターは「地下鉄博物館」(東京)などで体験できるが、養成所のシミュレーターは一般開放していない。計器など運転室の中は本物と同じ、ドアの開閉もできるとあって、鉄道好きにはたまらない。

同社広報室アシスタントマネジャーの前田誠さんによると、電車に興味のある4〜12歳の子供とその保護者が対象だったにもかかわらず、「お子さんより目を輝かせて楽しんでいる親御さんも多かった」とか。限定ツアーだったが好評のため「東京メトロ側の受け入れが可能なら、ぜひ第2弾を検討したい」という。

体験ツアーの増加には、観光に飽き足らなくなった旅行者が、“大人の社会科見学”に注目し始めている背景がある。エイチ・アイ・エス担当者によると「タイ式マッサージやバリエステ、イタリア・トスカーナ地方の家庭料理など、一度体験して気に入ったものを今度は自分でやりたい、作りたい、そんな需要が20〜30代の女性を中心に高まっている。旅の目的をより明確に、具体的にすることが求められている」という。

旅行代理店サイドの事情として、「旅先の情報集めも、航空券やホテルの予約も、ネットを使えば自分でできる時代。通常のパック旅行は価格競争にさらされているのが現状です」と話すのは、ANAセールスの前田さん。かつて多かった入場券付きツアーなどでは、客が呼べなくなっているという。だが、「プロがアレンジしなくては実現できない“特別な体験”なら、多少高くても参加してくれます」。客の要求レベルが高くなり、旅行会社側も創意工夫に苦心しているようだ。

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