−−まあ、考えたら、民謡や演歌の歌手は和服の方が多いですしね。
そうですね。だから逆に、なるべく演歌歌手にみえないような柄を選びます。たとえば昭和初期に流行したような柄を選べば、成人式の和服のようには見えないだろうし、また音楽の雰囲気とも合う。ただ、きょう着ている和服は単純に春らしいものは? と考えて選んだだけですけど。
−−なるほど
和服の古着屋さんもありますしね。洋服と違うなと思うのは、大切に保管されていてきれいに残っている点ですね。時代を超えて残っているのだからすごい。それに和服は季節感があっていい。
−−もうすぐ夏ですが、そうしたらやっぱり浴衣で?
私が浴衣を着て、女性がそれをまねして街中に浴衣の女性だらけになったら、うれしい。
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−−ちょうど、いま、雑貨や家具も和風が人気ですしね。
昨年から1人暮らしを始めたんですが、家具は全部、和モノ、それも骨董品ばかりでそろえてしまいました。部屋にきた友人が「ここはどこ? いつなのよ!」って。私の場合、新しい和風のものはだめ。「あなたはまだヤングじゃない!」って思っちゃう。年季が足りないって!
−−そして、CDのジャケット(装丁)では、その和服姿を写真家、篠山紀信さんが撮影しているのも話題ですね。
おもしろくて、優しい方でした。私は写真を撮られると緊張するほうなんですが、とてもリラックスさせていただきました。なんというか不思議な空間を作り出す方で、2時間の撮影も気づいたときには終わっていたという感じでした。 その場でポラロイドで撮影したものを見せていただくのですが、「これ、だれですか!」って叫んでしまいました。そこには見たことのない自分がいたんです。自分の写真なのに、「素敵だな」って思うなんて。
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