−−バスキングというのは、路上パフォーマンスですね。
私が生まれ育ったニュージーランドのクライストチャーチという街は、ニュージーランド3番目に大きな都市です。まあ、大きいといっいも東京都は大違いですが。ニュージーランドはもともとふたつの島でできていて、クライストチャーチは南の島にあって人口は40−50万人。非常にリラックスした場所で空間的にも時間的にも余裕があり、そこで暮らしている人々は、創造的な活動に没頭することもできるのです。クライストチャーチにはアートセンターという広場があって、バスキングはそこで行われています。週末は大勢の人がさまざまな芸を路上で披露するんですよ。私は当時、10歳ぐらいでした。子供は珍しかったかもしれませんね。広場は市場やカフェがある、非常に環境のよい場所で、両親がカフェでお茶をしながら、私と3歳下の妹が路上で歌い、バイオリンを弾くのを見守っていました。クラシックやアンドレ・ボチェッリのレパートリー、あるいはビー・ジーズの歌なんかをレパートリーにしていました。ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなりましたが、それ以上に音楽に対する自信がつきました。
−−そもそも、音楽一家だったのでしょうか?
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