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タカラジェンヌ 夢の軌跡 雪組 貴城けい(4)
幸せ感のある夢舞台をつとめたい
1月27日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
宝塚バウホール公演「DAYTIME HUSTLER〜愛を売る男」で昨年11月、3度目の主演をつとめた。現代の米西海岸を舞台に、教職を追われ、エスコート・ハスラー(ホスト)に転身したローレンス役。見かけのかっこよさと筋の通った内面のやさしさを併せ持つ、男役の力量が試される役だった。

「小池(修一郎)作品の久々のオリジナルということもあって、ワクワク感がありましたね。ローレンスは今までやったことのないタイプの役。現代物はナチュラルに見せつつ土台をきちんと作っておかないと男性に見えない。すごく難しかった」

この難役を見事に演じ、高評価を得たことが、トップ就任を最終的に決定付けたのだろう。昨年12月20日に歌劇団から、5月22日付で宙組へ異動し、7月で退団する和央ようかのあとの次期トップに内定したことが発表された。相手役の次期娘役トップは紫城るい。デビュー公演は8月に福岡・博多座でミュージカル「COPACABANA」、宝塚大劇場のお披露目公演は11月3日初日で「維新回天・竜馬伝!」「ザ・クラシック」(12月12日まで)と決まった。

「博多座は初めて出るので、すっごく楽しみですね。大劇場ではまた日本物の作品。ホントに縁があると思います」と落ち着いた口調で話したが、年明け早々、元日に大劇場の鏡開きを初めて担当し、枡酒をグイッと飲み干して、気合も自覚も十分である。

「舞台に対しては、与えられたものをできる限りの力で精いっぱいやるという、これまでと姿勢は変わらない。ただ、(トップは)誰もがなれるわけではないし、立場が違うと周囲の環境も違ってくる。技術的な面で向上、努力するのは当たり前として、宝塚の生徒としてしっかりと生きていきたいですね。宝塚自体が夢空間なので、お客さまには現実を忘れ、夢の世界に浸っていただいて、見たあとに幸せだなと思っていただけるのが一番。そういうふうに舞台をつとめられたらと思っています」

トップの座でさらに輝く姿が待ち遠しい。

次回は雪組 水夏希です。


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