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血染めのカエサルのトーガを市民に示し、まんまと心をつかむことに成功したアントニウス(霧矢大夢)は、兵を率いてブルータス(瀬奈じゅん)に迫る。もはやこれまで。ブルータスはカエサルのいまわの際の笑顔を思い出す。私は大勢の人に愛されたということなのか。ならばそれは生きる意味があったということか。ブルータスは部下にもたせた刀に身を投げ自害する。攻め込んできたアントニウスに部下はいう。「ブルータスさまはご自分を手に入れられました」。アントニウスも嘆息する。「自分のためではなくローマを思ったのはブルータスだけだった」。無私。人間とはなんなのだろう。