花組 東京公演始まる
春野寿美礼 宝塚流明智小五郎を語る
ENAK編集部
春野寿美礼 本日より東京の劇場で公演をさせていただきます。芝居、ショーともに花組にとって、あるいはファンのみなさまにとっても、ちょっと異色だと思っています。でも、“宝塚の作品”になっていると思っていただけるよう、舞台をつとめていきます。よろしくお願いします。

−−「明智小五郎」のみどころは?
春野 役作りのポイントとしては、名探偵ぶりを、きもちよくお見せすることです。名探偵なんだけど、妹と生き別れになっていたという人間としての葛藤の部分もある。そのあたりを表現していけたらいい。
−−どう異色なのか?
春野 明智小五郎は宝塚の雰囲気とは異なるとファンの方からお手紙をいただいたりしています。私自身も子供のころテレビなんかで明智小五郎ものを見た記憶では、地味というか宝塚でやるには世界が違うと感じていましたので、それで異色と。それを、いかに宝塚らしい、華やかな作品にするか。そこが問われるのではないでしょうか。ショーは花組には不慣れな流れの作品といいましょうか、実は荻田先生の作品を演じるのが初めてなんです。東京公演が始まってやっと慣れてきたというところでしょうか。
−−スーツ姿にみほれる。世の男性に着こなしを伝授してください
春野 なんでしょうね。私たちの場合、自分のサイズにきっちりと合わせて作っていただいていますから。スーツ姿の背中で何かを語れるようになったらいいなと思っています。
−−宝塚としての明智小五郎。そういう表現のうえでのこだわりは?
春野 ラストに隠されたなぞが明らかになる部分を、ドラマチックで華やかに表現したいです。男役のかっこうよさをいかすため、ときめいた…という内容の歌をうたうときは、あえて角度をつけて立ってみたり。ふつうのお芝居なら大げさですけれど、宝塚としては、そうやったほうが華やかになります。
−−ジャズについて
春野 ジャズは難しいです。ジャズって即興が大切。クラシック音楽みたいに決まりがあるわけじゃない。労働者の気持ちから生まれた音楽。だったら私の中からだって鼻歌みたいに出てきてもいいかなと思うのですが、公演としてみなさまにお聴かせしようと思うと難しい。気が済むまでおけいこをして、だけど、いかにもおけいこしてきました−−という聴かせ方ではなく。聴いていただいて、みなさまが心地よくなれるぐらいの表現ができたらいいですね。
−−専科の矢代鴻とのかけあいが聴きどころでもある
春野 すごく楽しいですね。楽しいのと同じぐらい緊張もして。矢代さんは、いろいろな色を一気に出される方。楽しく集中しながらスキャットをさせていただいています。
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