宙組東京公演千秋楽 トップコンビが退団
「あしたからはもっと幸せに」貴城けい 退団会見
ENAK編集部
12日夜、東京宝塚劇場で行われた宝塚歌劇宙組トップスター、貴城けいの退団会見の一問一答は以下のとおり。
貴城けい ほんとうに15年間お世話になり感謝の気持ちでいっぱいです。きょうで男役とお別れですが、思い残すことはございません。みなさまの温かいお心を忘れずにこれからも私らしく歩んでまいりたいと思います。ありがとうございました。
−−今後の進路は?
貴城 とりあえず、この千秋楽までは公演に集中していたので今は何も考えておりません。これからゆっくり考えたいと思います。
−−昨年7月にトップに就ついてからの期間を振り返ると15年の宝塚生活の中でどういう意味をもっていたことになりますか?
貴城 雪組はもちろん初舞台からおりましたので思い出がありますが、宙組での思い出も一生忘れられないものといえます。短い中ですごく幸せな日々を過ごさせていただいたことに感謝しています。組長が歌劇団発行の月刊誌の中で「(私が)宙組にきたことには意味があった」というメッセージを寄せてくださったのを読んで、とても安心しました。自分の中にはいきなり組替えでトップになり、短期間で退団するのは、宙組のみんなに失礼なのではないかという葛藤(かっとう)があったのです。そんな中で組のみんなは私を支えてくれ、みんなの愛を感じられて幸せでした。宙組における8カ月は私のこれからの支えになると思います。
−−ショーで生徒が歌詞を替えて貴城さんに送る歌にしていましたね
貴城 はい。全然知らなかったので、舞台袖でスタンバイしているときなど思わず耳をそばだててしまいました。大切なのは(一緒に過ごした)時間の長さではないのだと感じて、ほんとうにうれしかったです。宝塚大劇場公演のけいこでみんなと合流して、大劇場公演、東京公演と回を重ね、だんだんみんなが私になじんでくれるというか、なついてくれるというか、1日ごとにそういう人が増えていくのがうれしくて、こんなに幸せでいいのかというぐらいでした。(替え歌の)歌詞、いつ考えたんだろう。「貴城さん、こうしたいんですけど」と言ってくれるのがいつもうれしかったけれど、きょうは特に忘れられない日なりました。
−−最後に(歌劇団の歌ではなく)「蛍の光」をうたったのは、だれのアイデアですか?
貴城 私です。大劇場公演の千秋楽が年末だったので、この歌をうたわせていただきました。宝塚では何十年ぶりのことなんですよね? それできょうもうたわせていただきました。
−−きょうは起床してからどのような心境で過ごしましたか?
貴城 目を覚ましたときはバタバタしていて、何も思わなかったのですが、昨夜日付がきのうからきょうに変わるときは「きょうで宝塚の貴城けいであるのは最後なんだな」と考えました。劇場に着いたときはファンの方々と宙組のみんなが温かく出迎えてくれました。楽屋に入り、化粧をして、舞台に立つ。15年当たり前のようにしてきて、卒業生がいれば見送る立場でしたけれど、きょうは見送られる。改めていろいろな方々にお手伝いしていただいてきたのだなと感じました。ひとりじゃ何もできない。3分おきぐらいにそう感じて過ごしてきました。ともかくきょうは本当に幸せな1日です。今もまだ幸せです。でも、あしたからはもっと幸せになりたいと思います。
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