「七つの海に帆を張って、光輝き、勇ましく進んでいく船」というイメージで、家族で考えて名付けた。

「海の見えるところで育ったこともあって、いっぱい考えた中から決めました。すごく気に入ってます」
★ ★ ★
長身(175センチ)で、芸名通りスケールの大きな男役スター。現在、宝塚大劇場の宙組公演に出演している(30日まで)。「バレンシアの熱い花」では盗賊の頭、ドン・ファン・カルデロ役。
「キザで軽い感じの男ですが、最後に初演ではなかった父と息子の再会シーンがあるんです。どうして盗賊になったのかなど深い背景も絡めて演じたいと思っています」
ショーの「宙FANTASISTA!」では、しっぽが付いたエンビ服でロックっぽく歌う月のシーン、笑える女役のシーンなどが注目だ。
バレリーナにあこがれて幼稚園からバレエを習っていたが、背が伸び過ぎて断念。踊り関係の仕事に就きたいと、宝塚音楽学校の授業内容にひかれて、中学卒業時に受験。1発合格した。
「まずは視察気分でしたが、自分の名前があってびっくり。学校では演劇が苦手でした」
初舞台は「ノバ・ボサ・ノバ」で、宙組に配属。平成15年「白昼の稲妻」新人公演の悪役ランブルーズでは「本役の水(夏希)さんに手取り足取り教えていただいて、役作りのターニングポイントになりました」という。
16年「
ファントム」新公で初主演。歌で表現する大役の怪人ファントムを熱演した。
「声が大きいだけで歌は平均点だったので、あり得ない、困った、がむしゃらにやったって感じです」

新公主演は17年「
ホテルステラマリス」のウィリアム役と2度経験して卒業。18年は宝塚バウホール公演「UNDER STUDY」で、役者の卵アレック・ロックウッド役で初主演を果たす。
「劇中でシェークスピア劇を何役もやるので難しかった。とても勉強になりました」
しだいに役になりきる楽しさがわかってきた。
「初心と学ぶことを忘れず、感動を与えられる役者でいたい」。
★ ★ ★
次回は23日掲載で、春風弥里(宙組)です。