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トップお披露目公演
安蘭けい 刺激与える存在でいたい
3月17日（土）大阪夕刊 by 平松澄子
「組のことをすごく考えるようになりました。自分次第で動いていくんだろうなと思うと、大きな責任を感じますね」
星組のトップスターに就任した感想を聞くと、こんな答えが返ってきた。
じつは昨年１２月のトップ・デビュー公演「ヘイズ・コード」（大阪のシアター・ドラマシティ）では、声帯を痛めて得意の歌が十分に歌えない悔しさを味わった。「風邪がきっかけでしたが、声が出ないなんて初めて。私の一番の武器が歌なのでショックでした。（トップになって）がんばらなきゃと気負いすぎたんでしょうね」
その反省から、宝塚大劇場のお披露目公演の稽古（けいこ）は、リラックスを心がけているという。
「自分でこの作品を何とかしなくては！ とは思わずに、人の力を借りてやればいいんだって気持ちになったんです。あまりに緊張感がないので、同期の春野（寿美礼＝花組トップ）に相談すると、“それでいいんだよ”と言ってくれました」
「ポスター撮りでは美術館にあるお着物をお借りしたんです。それとそっくりの着物をあつらえてもらって、舞台に立てるなんて感激ですね。衣装に負けないような場面にしたいです」
これまで、節目にはなぜか日本物と縁がある。「小学校時代に初めて宝塚歌劇を見たのが日本物のショーで、雪組時代もけっこう多かった。星組に来て最初にバウホールで主演した役が石川五右衛門。そして今度の舞踊詩ですから。難しいですが、好きですね」
ミュージカル「シークレット・ハンター」は１９４０年代のカリブ海の島を舞台に、泥棒で詐欺師のダゴベールを演じる。「明るいハッピーエンドの作品。こちらはヘリコプターから降りてくるイメージで、王冠を盗むために、上から登場する仕方がおもしろいですよ」
相手役となった娘役トップの遠野あすかについては、「彼女の専科時代に『コパカバーナ』で初めて共演したんですが、安心できますね。いい意味で、ミュージカル女優のような、宝塚っぽくない娘役さん。それを武器に宝塚の味を融合した舞台になればすばらしい」と表現した。
「やはり（トップを）目標としてきたので、自分にはチャンスがないのかと思ったこともありました。でも舞台が大好きだし、宝塚でやりとげたかった。その結果、チャンスが巡ってきたわけですが、私には今の時期が一番よかったと思います」。そして「これからも私自身はいろんなものに挑戦して、進化、変化をし続けたい。組では、私がいるから安心して舞台に立てると思われたいし、同時に刺激を与える存在でもありたい」と意欲的な抱負で締めくくった。
星組のトップスターに就任した感想を聞くと、こんな答えが返ってきた。
じつは昨年１２月のトップ・デビュー公演「ヘイズ・コード」（大阪のシアター・ドラマシティ）では、声帯を痛めて得意の歌が十分に歌えない悔しさを味わった。「風邪がきっかけでしたが、声が出ないなんて初めて。私の一番の武器が歌なのでショックでした。（トップになって）がんばらなきゃと気負いすぎたんでしょうね」
その反省から、宝塚大劇場のお披露目公演の稽古（けいこ）は、リラックスを心がけているという。
「自分でこの作品を何とかしなくては！ とは思わずに、人の力を借りてやればいいんだって気持ちになったんです。あまりに緊張感がないので、同期の春野（寿美礼＝花組トップ）に相談すると、“それでいいんだよ”と言ってくれました」
★★★
お披露目公演は舞踊詩「さくら」で開幕する。プロローグは若衆姿でセリ上がり、フィナーレでは特注の豪華な“一竹辻が花”の着物姿で舞う。「ポスター撮りでは美術館にあるお着物をお借りしたんです。それとそっくりの着物をあつらえてもらって、舞台に立てるなんて感激ですね。衣装に負けないような場面にしたいです」
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| サクラの花をモチーフにした“人竹辻が花”の着物姿の安蘭けい（右）と遠野あすか |
これまで、節目にはなぜか日本物と縁がある。「小学校時代に初めて宝塚歌劇を見たのが日本物のショーで、雪組時代もけっこう多かった。星組に来て最初にバウホールで主演した役が石川五右衛門。そして今度の舞踊詩ですから。難しいですが、好きですね」
ミュージカル「シークレット・ハンター」は１９４０年代のカリブ海の島を舞台に、泥棒で詐欺師のダゴベールを演じる。「明るいハッピーエンドの作品。こちらはヘリコプターから降りてくるイメージで、王冠を盗むために、上から登場する仕方がおもしろいですよ」
相手役となった娘役トップの遠野あすかについては、「彼女の専科時代に『コパカバーナ』で初めて共演したんですが、安心できますね。いい意味で、ミュージカル女優のような、宝塚っぽくない娘役さん。それを武器に宝塚の味を融合した舞台になればすばらしい」と表現した。
★★★
バツグンの歌唱力に加えて、芝居、ダンスと三拍子そろった芸達者。宝塚音楽学校を１番の成績で卒業したが、トップ就任は春野、朝海ひかる（元雪組）に次ぎ同期で３番目と遅かった。「やはり（トップを）目標としてきたので、自分にはチャンスがないのかと思ったこともありました。でも舞台が大好きだし、宝塚でやりとげたかった。その結果、チャンスが巡ってきたわけですが、私には今の時期が一番よかったと思います」。そして「これからも私自身はいろんなものに挑戦して、進化、変化をし続けたい。組では、私がいるから安心して舞台に立てると思われたいし、同時に刺激を与える存在でもありたい」と意欲的な抱負で締めくくった。
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安蘭けい あらん・けい 滋賀県湖南市出身。高校卒業後の平成３年「ベルサイユのばら〜オスカル編」で初舞台。雪組に配属され、７年「ＪＦＫ」で新人公演に初主演し、「エリザベート」のトートなど計４回の新公主演をつとめる。宝塚バウホールの初主演は１０年「ＩＣＡＲＵＳ」。１２年８月星組に組替え。１５年は東京・日生劇場「雨に唄えば」の主演、宝塚大劇場「王家に捧ぐ歌」の王女アイーダ役などの活躍で、松尾芸能賞新人賞を受賞した。 昨年は３度目の「ベルばら」でアンドレとオスカルを好演。湖月わたる退団のあとをうけて１１月に星組トップに就任した。 宝塚大劇場のお披露目公演「さくら」「シークレット・ハンター」は２３日〜４月３０日。東京宝塚劇場公演は５月１８日〜７月１日。
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