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星組「さくら」「シークレット・ハンター」宝塚大劇場公演評
新トップ・初舞台生披露の華やかさ
4月4日(水)  大阪夕刊 by 平松澄子
新生星組の宝塚大劇場公演は春にふさわしい初ものづくし。新トップ・コンビの安蘭けい、遠野あすかのお披露目に、初舞台の第93期生50人が、幕開けに正装で口上を述べる姿は初々しい。

「さくら−妖しいまでに美しいおまえ−」は、ベテラン演出家の谷正純が初めて手がけた日本物ショー。“チョンパ”で灯りが点ると、若衆と美女姿の全員でのまばゆい総踊り。墨染めの桜や竹灯篭のしっとりとした場に、節句人形や狂言の花折といったコミカルな場をはさんで、安蘭ら4人が本物の“一竹辻が花”の着物で舞うフィナーレへ。

ボリューム感のあるサクラの花をモチーフにした装置が、妖しい雰囲気を醸し出し、これでもかと舞台に咲き誇るサクラに酔わされる。そして日本物ショーには日舞の名手、松本悠里(専科)の卓越した美しさは欠かせない。洋楽で日舞を踊るスタイルは宝塚がルーツ。近年は公演が少なくなっているが、ほかにはない華麗な日本物ショーの伝統は継承するべき至宝だ。

ミュージカル「シークレット・ハンター」は児玉明子(作・演出)の大劇場デビュー作。女性の座付き作家では植田景子に次いで2人目になる。

1940年代のカリブ海に浮かぶ島々を舞台に、人のいい泥棒のダゴベール(安蘭)が親友の情報屋セルジオ(柚希礼音)の依頼を受けて、パラス・アテナ国の王女ジェニファー(遠野)を“盗み出す”ことから起こる騒動を描いた恋物語。コメディータッチで二転三転する展開はたわいないけれど、エネルギッシュなラテンの音楽とダンスが楽しく、久しぶりのハッピーエンドに心がなごむ。

初舞台生のロケットは、“カリビアン・フィッシュ”に扮したストーリー性のあるダンス(振付・羽山紀代美)。暗闇で光る蛍光色の衣装が効果的でユニークだ。

実力派のトップ・コンビは歌唱力、演技力ともに安定感があり、2番手に昇格した柚希の華やかさが際立つ。

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