
宝塚歌劇との出合いを作ってくれた祖母の姉の名前から「乃」。宝塚は夢の世界だから「夢」。出身地にちなんだ「聖」。7月生まれなので「夏」。この4文字を組み合わせた芸名という。
「家族で考えましたが、なんかギャグっぽいですよね」
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スラッとした長身(172センチ)が映える男役のホープ。宝塚大劇場で上演中(12月15日まで)の「
エル・アルコン−鷹−」新人公演で初主演し、野望に燃える“ダーティー・ヒーロー”ティリアン役を、スケール感豊かに演じた。
「最後の新公で初主演なんて、香盤を見たときは驚きすぎて震えました。自分が真ん中に立つのは不思議な感覚でしたが、みなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。責任の重大さを痛感して、東京の新公に向けては課題の歌をひたすらがんばりたい」と謙虚に答えた。
「バレエと歌を少しかじったぐらい」で、中学卒業時に宝塚音楽学校を“記念受験”して一発合格。「受かるわけがないと思っていたので、よくわからないままに手続きをして、流れのままに過ごして、今に至るって感じ」と無欲にいうが、一歩一歩着実に成長している。
初舞台は宙組「ベルサイユのばら2001」。星組に配属され、2年目に「LUCKY STAR!」東京公演で初めて銀橋を渡ってびっくり。「プラハの春」新公で初めて名前のある役がつき、「長崎しぐれ坂」新公のさそり役で芝居が好きになったという。「九州弁の役だったので言葉のなまりを気にせずにできたんです」。
大ヒット作「ベルサイユのばら」は早くも3度体験し、3回目の新公ではアンドレを演じた。
「入団までは知らなかったんですが、歴史ある作品でアンドレ役をさせていただくなんて。うれしかったです」
スター登竜門の新公主演も果たし、次のステップは?
「以前はダンスが好きだったんですが、今はお芝居が好き。二枚目も三枚目もできる男役になりたい」とようやく欲が出てきたようだ。