オットーと正反対の狂気
−−歌も大変重要で、かつすばらしい旋律が多い作品ですが
ルキーニが歌う歌は変拍子のものもあるし、気持ちいい旋律なのにそれをを打ち砕くかのようなロックビートを基調にしています。楽譜を見て『難しそうだ』と思ったのですが、実際歌ってみると、このほうがルキーニの感情を込めやすいことに気づきました。
−−エリザベートを暗殺したルキーニという人物は実在しましたが
だから、ルキーニ像は歴史資料から立ち上げました。孤児院育ちで、人でも殺さないと自分の存在価値を見いだせなかった浅はかな若者。『ルートヴィヒII世』で演じたオットーとは正反対の狂気ですね。
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次の自分が楽しみ
−−では、そんなルキーニを実際に、演じてみての感想は?
私って、演じてきた役も自分自身もストレートすぎる。頭では分かっていたのですがルキーニを演じて、この持ち味が、いい所でもあり邪魔する面でもあると冷静に実感しました。
−−うーむ、なるほど
宝塚大劇場公演では“私”のルキーニという点に、こだわり過ぎていました。東京公演では「これがルキーニです。見てください」と打ち出す強さがついたと思います。ルキーニを演じた次の瀬奈じゅんがどうなるか、自分でも楽しみです。
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