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エリザベートは宝塚のパラドックスにうまくはまった
大鳥れい 春野すみれ
エリザベート トート
撮影・早坂洋祐@写真報道局

点は「サウンド・オブ…」
小池修一郎宝塚に新風を吹き込む演出家だ。

原点は小学5年で見た映画「サウンド・オブ・ミュージック」だった。

「畳の上でパンフレットを見ている自分は、外国人の出演者にはなれない。でも、製作や監督にはなれるのではないかと。鉄腕アトムにはなれないけど、手塚治虫のようにはなれるかもしれないと思ったのがスタートでした」

そう 振り返る。

 

塚のパラドックスに
昭和52年入団。唐十郎にかぶれる一方、ミュージカルが好きだった。

「宝塚は当時、月給制で、ミュージカルを作るには日本で一番いい環境だった。一種のワンダーランド。先輩の演出家は親より年上だったが、今ではそれが得がたい経験だったと思う」

花組で上演中の「エリザベート」は自身が見つけ出して育てた大ヒット作だ。死の象徴が主役という異色作。

「宝塚の男役は、ある女の子が、ある芸名の男役になり、さらに役を演じる。2段階の変容がある。それが、死という抽象的な役を演じるときに生きてくる。宝塚のパラドックスにうまくはまった作品なんです」

 

 

死」の次は吸血鬼
花組は、トップお披露目となる春野寿美礼のトートと、これで退団する大鳥れいのエリザベートの組み合わせだ。

「今までのエリザベートは、はかないタイプだったが、大鳥は地に足のついた女優に成長し、リアリティーがある。トートは逆に地から浮いたカゲロウのような存在。その対比で物語の寓意(ぐうい)性が明確に出た」と説明する。

今年末には月組でバンパイアを題材にした新作「薔薇の封印」を上演する。

「ノーブルで魅力的な吸血鬼にしたいね。興味があるのはやはり歴史もの。その中に21世紀の視点をどう持ち込み、描くかが課題です」


sumire memo
1月16日(木)東京朝刊
interview by 田窪桜子
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OG情報 演劇一般のほうに掲載
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