イタリアの歌劇王ヴェルディが作曲したオペラ「アイーダ」。1871年の初演以来、数々の名演を生んだ、世界でもっとも愛されるオペラの1つ。
この由緒ある「アイーダ」を宝塚バージョン『王家に捧ぐ歌』としてアレンジし、新トップの湖月わたる率いる星組が挑む。 ●●●
麻尋しゅん(まひろ・しゅん)さん、星組研究科2年。29日に行われる同公演の新人公演でアイーダを演じる。
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まだ2年生の麻尋さんもふと見せる横顔は大人の雰囲気が漂う |
富山県出身の麻尋さんが宝塚を志したのは、全国ツアーの『シトラスの風』を見たとき。
バレエの先生や両親の応援を受け、音楽学校の受験に向けてレッスンを始めた。
平成12年、難関をくぐり抜け音楽学校に入学、14年『プラハの春』で初舞台を踏む。
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厳しいけいこの合間、撮影にのぞむ麻尋しゅんさん。可愛いえくぼがチャームポイント=兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団・けいこ場 |
この春2年生になったばかりの麻尋さん。まだ経験は浅く、星組の名簿では下から7番目、大劇場公演は3度目という。
そんな彼女が、若手の登竜門となる新人公演でエチオピア王家の王女アイーダに抜擢された。
あまりプレッシャーを感じないという彼女も、今はアイーダ役の成功めざして頭が一杯。先輩の指導を受けて、歌にダンスと厳しいけいこに励む。 ●●●
音楽学校時代に苦楽を共にした同期生は、今も悩みを相談し合う大切な存在。
休日にはドライブにグルメツアーにと遠くまで足を伸ばす。おいしいものを食べながらのお喋りは、厳しいけいこの何よりのリフレッシュ法。
免許を持たない麻尋さん。自分の車で遠出するのが夢という。「でもけいこに追われて、しばらくは無理みたい」と笑いながら話す。 ●●●
まだ舞台の怖さも知らない彼女が演じる初の大役。「技術はまだまだ、気合と度胸でぶつかりたい」と未来のスターに向けて、新たな一歩を踏み出した。
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歌劇団の入口には、スターの到着を待つファンが並ぶ |
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