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専科 一樹千尋 昭和48年入団 千葉・八千代市出身 |
「1本の樹が根を張り枝を広げすくすく育つように」とつけた。入団当初は「鯉(こい)のぼる」という芸名だったのを、13年目に改名したという。
「何か転機になるきっかけがほしかったんですね。鯉が滝を遡る姿は勢いがあっていい、と家族で考えたんですが、傷だらけになってのぼるだけなのはしんどい。人にやすらぎを与えられたらいいなーと、今の芸名にしました」 ●●●
歌唱に秀でたベテランの男役。このところ「ホップスコッチ」の調子のいいハワード役、「おーい春風さん」のお地蔵さん役と、バウホール公演の出演が続いた。
現在、宝塚大劇場で公演中の星組「王家に捧ぐ歌」(8月18日まで)では、アイーダ(安蘭けい)の父でエチオピア国王のアモナスロを演じている。
「大劇場に出るのは2年ぶり。セリフが全部歌なので、久しぶりにたっぷり歌います。オペラの『アイーダ』とはまた違う宝塚版で、私の役は戦いを繰り返す“おろかな独裁者”の設定なんですよ。今回はとにかく、新トップの湖月わたるを中心にした星組の結束したパワーがすごいですね」
テレビで見た鳳蘭の舞台姿にあこがれて宝塚に入ったが、「これだけ長くいると、宝塚は私の人生そのもの。専科としてはいつでも声がかかるよう、それなりの存在が出せる男役でありたい」そうだ。
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